毎日野球コラム - 野球コラムサイト -

1度成功すれば勝利であり、1度しか使えない必殺技 一発牽制Ⅱ

野球情報メールマガジン

牽制というプレーは、1試合で1度、いや1大会で1度しか使えないプレーだ。

 

昨日、記した仙台育英‐早実で一発牽制が飛び出したのは、まさにその1度を使うべきタイミングと

判断したからだ。

この時、満塁のピンチに相手の攻撃を断てば、この試合勝てる。勝てば、決勝に進む大きな試合。

条件がそろったので日頃鍛えた1度しか使えないサインプレーを敢行したのだった。

 

なぜ、1度しか使えないのか。

 

それは、一度見せてしまうと、相手が警戒するから。

そういうプレーを持っていると相手に情報を与えるとそれを警戒してスキを見せてくれなくなり、

それ以降このプレーは決まらなくなってしまうのだ。

それは、現在試合中の相手だけでなく、これから対戦するチームにさえもだ。

だから、ここぞの場面でしか使わない。

 

プロは、情報網を張り巡らせ、しょっちゅう同じ相手と戦うので

こういうプレーは1年で数度あるかないかだ。

それでも、シーズンで1回か2回しか使わないようなプレーを

たった1回のためにキャンプで反復する。

 

こういうプレーはここぞの場面でやり、成功すれば

その試合の命運を大きく左右する。

そのため、1勝を獲得するビッグプレーだ。

 

1勝が、優勝へとつながる。

だから、ほとんど使わないプレーでも意思疎通をしておく。

 

仙台育英の場合でも

チームとして意思が通っていたということであり、

鍛えられたチームである証明だ。

 

1度だけ成功すればいいこのプレーをまさに

その場面で成功させた快心のプレーだ。

 

仙台育英の郡司は、

「かなり練習を積んでいた。ここぞの場面でやるため、あまりやらないようにしていた。」

地方大会では使用せず、甲子園でも封印。

ここぞというときに決めるためにとっておいたのだ。

この作戦も含めて、長い目を持った戦略の勝利であり、

このサインプレーの成功と勝因はその1試合に限らず、

地方大会から含めて使わなかったということの布石によるものだ。

 

1試合だけでなく、長い期間の沈黙という作戦が功を奏した高度なプレー。

この試合で成功させる前の予選から含めた数試合の中で、

例え、やれば成功すると思われる場面があったとしても、

リードしていたり、普通に打って捕って投げてを繰り返せば、勝てる相手には

わざわざ使わず、これから戦う相手に情報を与えない。

野球情報メールマガジン

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

傑作コラム

TOP