外野手の返球でのクロスプレーは野球の最大のハイライトシーンだ。
プロの外野手なら、いわゆる定位置と呼ばれるあたりからならダイレクト返球してくる。
プロはチーム数が少なく、情報収集も大きな戦力のひとつなので、敵チームの
外野手の肩をよく知っている。
だから、ランナーの脚、打球の勢いや方向、外野手の姿勢と肩を勘案して
ランナーコーチが回すか止めるか決める。
相手チームには分析された上で、ランナーが回ってくるので、
カットなどしていたら間に合わない。
そこで、外野手はノーカット返球できるよう勢いづけて前進し、強力に腕を振る。
さらに、これは外野手の見せ場なのをよく知っているから、勢いづける。
強肩と呼ばれる外野手は、多くが捕球してからステップを思い切り踏んで、
グローブをはめた手を前方へ出し、叩きつけるように返球する。
つまり、ピッチャーの投球モーションのように。
内野手は俊敏性が求められるので、小さいステップでスローイングのテークバックも
小さくする。
外野手は強い返球をするために、右利きなら右足→左足と踏み込むわけなのだが、
ゴロを捕球する時は右利きなら右足を前に出して左足の前で捕球する。
そこから左足でワン、右足でツー、左足でスリーと勢いづける。
強肩で思い出されるイチロー、新庄、羽生田、糸井、福留、アレックス、
バーフィールド、テリーはみなこの方法だ。
これに対して、強肩の評があったはずの由伸は左足を前に出して左足の
前で捕る。
こうすると、ステップが右足でワン、左足でツーの2ステップで投げることができる。
ステップを1つ減らすことで、捕ってから早い返球をしようとする技術だ。
ただ、3つのステップを2つにすることで勢いはなくなるので、返球自体は弱くなる。
それでも捕ってからの早さを優先したのだ。
その理由は、明日へ。
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