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バットは折られたのか わざと折ったのか

先日の日本代表のオーストラリアとの対外試合で、佐藤がバットをモロに折る

打席があった。

いわゆる真二つというもので根っこに当たったどん詰まりというもの。

こういう打撃には打者側からはバットをへし折られた、ピッチャー側からはバットをへし折った、

という表現を使うものだ。

 

ただ、この時の佐藤への投球はボール球だった。

インコースのボール球だ。

そりゃボール球に手を出したら折れる。

インコースに来たボール球に手を出して、それをフェアゾーンに入れようと、つまり

ヒットにしたいというスイングをすると、往々にして詰まる。

芯に当てればファールになるので、芯を外れてもいいと思って振っていない場合は

かなり詰まることになる。

 

佐藤のようなホームラン打者は特にこうなりがちだ。

それは常日頃から強くたたく打ち方で遠くへ飛ばすので、ボール球にスイングをかけた場合、

それは佐藤の目にはストライクに見えたはずで、するとストライクコースに芯が来るようバットは軌道を描き、

スイングが強い分バットは折れやすくなる。

 

つまり、この時の打席はピッチャーがバットをへし折ったのではなく、佐藤の選球眼の無さで

バットを折ってしまったのだ。

ストライクに投げてバットが折れたなら、へし折ったでいいが、ボール球に打者が手をだしたのなら

そうは言わない。

ボール球を打って折れたバットは手を出したから折れちゃった、という表現だ。

 

最近は、カットボールやツーシームといったスピードがあり少し変化する球が多いので

芯を外される。

これらのボールは最初ストライクコースに行くと見せかけてヒッティングポイントでは

ボールになり、バットが折れるということがある。

打者がボール球を打ったから折れたものだが、この場合はピッチャーの投球術によるものだから

へし折ったのであり、打者はへし折られた、と表現していいだろう。

 

WBCでの海外のピッチャーはこの傾向が強くなる。

日本人にはいないパワーのある球を少し動かしてくるタイプだ。

日本人は経験がなく、またパワーに劣るのでこういった球を打ち返せない。

過去のWBCでそれが顕著だった。

 

アメリカに敗れたかつてのWBCの試合では日本の打者は詰まりまくっていた。詰まらされていた。

完全にピッチャーの力量に抑え込まれた、という内容だった。

これにバットを折れば、それこそがバットをへし折られる、というものだ。

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