大谷、村上、鈴木といった、今、日本人でトップレベルの打者は皆、立派な体格だ。
何にしてもまず打者としては振る体力、弾き返す体力、速いスイングを生み出す力が必要だ。
これがないとそもそも技術論もくそもない。
出発はまず、打つために必要な体力があるか、からはじまる。
唯一、小さな身体で世界のトップレベルとなったイチローには卓抜の技術があった。
その卓抜の技術に体力が加わった選手が出現したら可能性は広がることになる。
身体の大きな選手はこれからも出現するが、イチローの技術を獲得するのは現時点ではそう簡単にはいかないと予想できる。
大谷がイチローの身体だったら、今のバッティングはできない。
逆にイチローに大谷の身体だったら、人類史上NO.1の打者となる。
イチローの体でイチローに比肩する選手がいないことが証明している。
この場合、イチローが身体を大きくしていれば、という話ではない。
とは言え、大谷の身体があればイチローの技術がなくても打てるから、そこへ
到達しようという発想にならないかもしれない。
落合も技ありのホームラン打者だった。
たしかに技ありだけど、技を使ってスタンドに届く体力があるからということが前提になる。
落合の場合、ギュッとつまったガッチリの身体だ。
特にあのふくらはぎの太さには目を引かれ、ケツから下の太さがホームランを生む。
それがなければその技術を駆使しても外野フライで終わってしまう。
あれがあるから、その技術で勝負しようと磨く決断ができた。