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変化させない変化球チェンジアップ タイミングを外せばいい

変化球についての考察を振り返る金曜連載5回目。

2023-8-18 変化球は握り(スプリット)、軌道(スライダー)、効果(チェンジアップ)にわかれる

2023-8-25 横へすべらさせるとされるスライダー

2023-9-1 ツーシームとシュートの違いは そしてシンカー

2023-9-8 カットボールとスライダーの軌道 カーブは大きい曲線

握りと軌道と効果の3つに大別される変化球ということをこれまで記してきた。

今日は効果を取り上げる。

チェンジアップがまさにこの効果を示す変化球だ。

変化球は横と下へ変化する。

このことによりバットの軌道から逸れることになり、空振りをとったり芯を外したりして打ち取る。

これらは変化球の軌道だ。

効果とは軌道を外すのではなく、タイミングを外すということだ。

つまり奥行きとも言える。

その代表がチェンジアップなのだ。

チェンジアップは、来たっ、と思った打者より実はもっと遅かった、という球だ。

チェンジアップを投げるピッチャーの握りはさまざまだ。

サークルチェンジで投げたり、指を立てて投げたり。

指を開かないでフォークボールを投げたらフォークボールと同じ変化をしてもフォークボールとは言わない。

それは、フォークは握り方だからだ。

そしてチェンジアップは、その軌道も打者から逃げていく球だったり、落ちる感じだったり、

スピードを殺しているだけだったり。

だからチェンジアップは握りや軌道によってわけられる変化球ではない。

効果ということばが最もしっくりくる。  

フォークボールの握り方をしていてもチェンジアップの効果、つまりタイミングをずらすために投げていれば

チェンジアップと言うピッチャーもいる。

スライド回転していても本人がチェンジアップと言えばそうなるし、

ツーシームの場合もチェンジアップと言ってしまえばチェンジアップだ。

だから打者への効果で名付けた変化球なのだ。

最近ではパームボールはあまり言わなくなったが、指を立てて投げるチェンジアップは

昔で言うパームボールと思っていいだろう。

これらはタイミングを外す効果があるボール、という共通点がある。

つまり腕を振って遅い球が投げられればいい。

回転や変化の仕方、握りは関係なく、相手が思っているよりボールが来ないで

泳いでしまえば全てチェンジアップ効果として捉えられることになる。

チェンジアップは場合によってはただの棒球だ。

変化させないタイプのチェンジアップを投げて横で見ているだけなら、なんてことない球ということ。

それでもそれを持ち球とできる理由は落ちるのではなく、変化するのではなく、スピードを殺しているからだ。

速い球が来ると思っているのにスピードを殺していればそれだけで効果がある。

遅い球が来るとわかっていれば、どんなに変化してもバットに当てられるし、

ボール球だったら見逃せる。

上行って横行って、下行って、スピードが増すなんていうボールはない。

だから速いと思って打ちに行って遅かったという球が有効なのだ。これが効果。

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