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ランナーを刺そうと思えば、送球は早く、強く、正確に

FUKUOKA, JAPAN - FEBRUARY 28: Infielder Ryosuke Kikuchi of Japan throws to the first base in the top of the fourth inning during SAMURAI JAPAN Send-off Friendly Match between Japan and CPBL Selected Team at the Yahuoku Dome on February 28, 2017 in Fukuoka, Japan. (Photo by Masterpress - Samurai Japan/SAMURAI JAPAN via Getty Images)

送球の標語は早く、強く、正確に、とある。

この中で正確に、ということが一番大事になる。

 

楽に間にあう場面では遅く、弱くてもいい場合があり、むしろ早く、強くしてミスをするより、

遅く、弱くした方がいい場面があるが、正確に、ということだけはどんな場面でも野手には求められる。

 

早くとは動作を早くするということ。

送球とは走者を刺すこと、あるいは進塁させないことなので走者との競争になる。

だから野手は動作を早くして、走者の走力か判断に勝らなければいけないということになる。

 

強くとは速くとも言え、スピードボールを投げること。

早くも強くも、走者の走力や走者の判断に勝つために時間を短縮する行為ということになる。

 

早くするための作業のひとつに、なるべく前で捕るということがある。

ゴロに前進して捕るのは早くしたいからだ。

早くする必要がなければ前に出なくてゴロが止まってから拾い上げればいいわけだから。

 

その他に送球を受けるベースマンが自分のところに走ってくる走者は刺せないと思った時に

ベースを離れて前に出て捕って、他の走者を刺しに行くなども早くする作業のひとつだ。

 

グラブから投げる手への持ち替え、ステップ、スローイングのトップへなども早くする作業になる。

 

そして、下から投げるというのも早くする作業のひとつだ。

特に内野手は下から投げる場面が多い。

プロの内野手は肩が強いので、内野ゴロのほとんどの場面で下から投げる。

 

下から投げるのは、ゴロはかがんで捕るので、すなわち手は下がった状態になりる。

だからその位置から早くボールを自分から離して目的の相手へ渡そうと思えば、

下から投げるのがいいからだ。

 

腕は肩から下へ向かって伸びている。

そして重力がはたらいている。

肩から下に伸びた腕を上にあげるには重力に反する動きになるわけで、時間がかかり、

労力もいることになる。

 

しかも、下から投げた方がコントロールもつきやすい。

下から投げた方が早いだろうと思われる距離、場面では極力下から投げた方がミスが少ないのだ。

 

逆に上から投げる場合は強い球、つまりスピードボールを投げる時と遠くへ投げる時に使う。

だから内野手で上から投げるのは距離がある時となる。

距離があるので下から投げていては弱い球になるため、素早く投げることはできても

強く投げられないので間に合わないということになるのだ。

 

内野手が下から投げるのと、上から投げるのを使い分けるのは早さか速さかを選択する作業であり、

もっとも相手への到達時間が短くなるであろう方法を経験と本能で察知するのだ。

 

内野ゴロは下から投げ、フライを捕った場合は腕が上にあるのでわざわざ下から投げず、

上から投げればいい。強い球が投げられるし。

だから外野手は上から投げる場面が多い。

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