糸井の身体能力の高さをよくあらわしている事象のひとつとして、
大学卒のドラフト1位ピッチャーなのに野手転向をして一流になった、ということを取り上げた。
糸井以外に例はあるのだろうか。
プロになるほどの選手が幼少期からの野球人生でピッチャーをやったことがない、
という事はまずない。
幼少期からの野球はレベルが低く、周りもヘタクソな奴が多い中、
ピッチャーをやらないという選択はないのだ。
そしてレベルが上がるにつれ、より才能のあるピッチャーがチームメートとなったり、
適性やチーム事情を考慮したり、はたまたケガがあったりで、配置転換がある。
それが、大学までピッチャーをやり、ドラフト1位となったほどの選手はピッチャーに
こだわり、必要とされなくなれば、トレードしてまでもクビになるまでやるものだ。
大学までやった選手は体が成熟しているので、今さら他のポジションを、しかも
プロに入ってからやろうという気にはならないし、首脳陣もなかなかその判断はできない。
糸井の身体能力の可能性に賭けたのだろう。
大学時代になってからピッチャーへの転向も珍しい。
岩瀬は大学時代、首位打者になったほどの打撃を持ちながらピッチャーへ転向した。
斎藤も東北福祉大時代にピッチャー転向したそうだ。
そこからドラフト1位にまで成長する超稀なケースだ。
プロでピッチャー転向はいない。
野球はピッチャーが一番大事だから。
チームづくりをする際、まずピッチャーをやる奴からスタートするし、
できそうな可能性があるやつはやらせる。
だからプロに入る前の早い段階でやっている。
プロの最高レベルより落ちるアマチュアでピッチャーをやらないのに
アマチュア時代一流だった奴しかおらず、またその中で勝ち残った奴しか生きていけないプロの世界で
そこからピッチャー転向はいない。
いるのかもしれないが、出世したのは聞いたことがない。