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ホームランを打つためには打つべき球を打つ 再録

ゲームの展開がホームランを生む。

打線の巡り、点差、ピッチャーの疲れ、この場面ではこの球を投げるしかない、

打たれてもいいと投げる場面、など。

 

ただ、最近の打者の大型化でそうとも言えなくなってきたが。

 

漫画「スラムダンク」で、唯我独尊の流川は、沢北に1対1の勝負を挑んだ。

抜きに行くことしか頭にない流川に対する沢北は楽だった。

ことごとく阻止する。

 

その後、流川はパスを選択するようになる。

すると、プレーに幅が出て、相手は何をしてくるかと迷うことになる。

すると、一瞬の対応が遅れる。

 

安西先生の
「2本のパスは布石」

「あれで沢北君の頭にパスもあると入った」

「一つに絞れないから考える」

「ディフェンスは考える」

そして

「今度は抜ける」

 

以前、清原が息子にホームランを打っている姿を見せたいという

テレビ番組の企画があった。

ピッチャーは桑田だ。

 

5打席用意されていた最初の方で桑田は力ある真っ直ぐにカーブ、スライダーを混ぜていた。

このホームランを打つという企画の中で緩急、コントロールをつけられては、

ホームランは無理だ。

 

ホームランを打とうと引っ張りに入り、そういう体の使い方をする。

そしてタイミングを合わせたいので真っ直ぐのタイミングで打ちに行くからだ。

 

この場合、流川が桑田で沢北が清原ということになる。

バリエーションのある攻め方をする桑田に、いろいろ迷わされる清原という図式。

 

そうして序盤、清原にホームランは出ない。

そして、終盤、桑田は企画を成立させようと真っ直ぐだけに内容を変える。

 

それも、ホームランになりやすいある程度スピードのある球を

清原のスイング軌道に合うようなコースへ投げ込む。

そして、清原は息子の前でホームランを打った。

 

これに清原は
「そこに投げてきた。あらためて桑田の凄さを思い知らされた」
と言った。

ホームランになるところに投げ、ホームランになる球を打ってこそということだ。

 

狙って打つ、絞って打つ、ゲームの展開で来る球の確率が変わる。

ホームランを打つためには打つべき球を打つのだ。

ボール球はホームランに出来ない。

 

甘い球をミスショットなく、捉えてこそホームランが生まれる。

バッティングはタイミングによって決まる。

 

打てるコースに(ストライクコース)球が来てこそ、打者は力を加えることが出来、

弾き返すことが出来る。

 

何時何分何秒、地球が何回周ったとき、ここへ球が通過するとわかっていれば

目をつむっても打てるのだ。

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