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道具を大事に扱いなさいの根拠はなんだ傑作選 2014年6月30日

道具を大事に扱う理由について考察した2016年5月3日の傑作。

2014-6-30 道具を大事に扱いなさいの根拠はなんだ

 

よく、日本ではバットを放り投げたり、グローブをたたきつけたりすると

道具を大事に扱わない選手はきらい、との評判を耳にする。

 

アメリカでは言わないのじゃないかな。

だって、三振とかしたバッターはバットを放り投げ、ヘルメットを放り投げ憮然として守備につこうとしているから。

 

昔、日本人がMLBへ移籍するなどとはとうてい思わない頃、アメリカ大リーグを紹介するとき

日本との違いとして肩の強さやパワーとスピード、ダイナミックスさ、そして乱闘の激しさが強調されていた。

 

その中で、三振した後や凡打した後にバットを放り投げ、ヘルメットを放り投げ、

ほったらかしで次の行動に移るシーンは日本と大いに違う点として印象深かかったものだ。

日本に来る外国人も同様にこの仕草だ。

 

エンターテインメントベースボールとして

場内を盛り上げるに一役買ったパフォーマンスのひとつとしての要素もあると思われる。

 

道具を大事に扱わない選手はきらいの根拠はどこにあるのだろうか。

日本には古来より生活習慣の中で物は大事にしなさいよという教えが根付いてきた。

 

日本人プレーヤーで道具にこだわりが強いといわれるイチロー。

日本で一度デッドボールか三振の際、バットをたたきつける行為をした。

これに本人はひどく後悔の念がたったようで、以降こういった行為は慎んでいるそうだ。

 

そしてグローブを使えば、練習や試合終了後、ただちに手入れを行う。

折れたバットも捨てずに管理している。ということだそうだ。

 

ある番組でイチローが練習終りにグラブの手入れをしていると、横にいた佐々木は

「子供たちにはぜひ見習ってもらいたい。」と言い、

それに対してイチローは

「うまくなろうとするにはこれをやるのが一番早い。」

と発言した。

 

しかし、道具の手入れをすればうまくなるのなら苦労しない。

その根拠はどこにあるのか。

 

道具を大事にするというより、それが一番使いやすく、良いプレーができる状態だから

そうしているわけであり、道具をそっと扱うとうまくなるわけではなく、

投げたり放ったりするとうまくならないわけではないはずだ。

 

たしかに道具を大事にしようと愛情をもって接すれば、

バットの性質、グラブの性質が見えてきて、プレーへの影響が出ることはあるだろう。

ただ、バットを投げるとかグラブをたたきつける行為とそれとは意味が違う。

プレーをしていれば興奮状態にあり、プレーに対して感情を爆発させることは、

良いプレーにつながることもあるのだ。

 

気持ちを前面に出してプレーすることは称賛されるのに

感情をあらわして道具を放ったりするパフォーマンスは非難されることが多い。

 

感情をコントロールしないとダメなプレーにつながることもあるが、

勝負に勝つための闘争心がそうさせるということと

エンターテインメントが含まれるバットの放り投げやグラブのたたきつけは

非難されるものではないと結論付ける。

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