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ドラフト下位指名の場合と1位指名のプロの都合 2016年11月10日傑作選

ドラフト順位の都合について記した2016年11月10日の傑作。

2016-11-10 ドラフト下位指名の場合と1位指名のプロの都合

 

毎年、有望な選手がプロの戦場を目指し、毎年、新鮮な魅力をもった選手が現れ、

3年くらいでパッとしなければ、すぐに見放されお払い箱となる。

まだ成長過程で実力の発揮は先であるのに他の個性に追いやられてしまうことが

高校生でドラフト指名されながら、プロ入りを避ける大きな理由だ。

 

下位指名は、早い段階で見切りをつけられるが、1位はそうはならない。

 

いくつか理由は考えられる。

まず1位で指名しておきながら育てられないのかという評価で他球団、野球関係者、

野球ファンから見られてしまう。

ファンの失望を買い、そのチームから離れかねない。

あいつでさえも育てられないのか、という目で見られてしまうから。

だから、1位指名はじっくり、ゆっくり、大事に1軍で結果が出るように

怪我をしないように育ててもらえる。

 

大田がいい例だ。

将来を有望視されながら高卒で1位指名入団しながらも、8年間全く結果が残せないのに

クビにならずに来たが、ついに放出の決断をした。

1位指名でなければ、8年間も抱えておくなど、まずない。

坂本は、普段の会話の中で

「お前の体があったら、ホームラン30本は打てる」とポロッと漏らしていた。

球団の意地として1位指名は、簡単にクビを切れない。重複ならなおさらだ。

 

次に考えれらる理由は、パイプがなくなるということ。

1位指名するほどの選手を育てられないとなったら、次に有望な選手が現れた場合、

その選手を育成してきたアマチュア指導者はあそこにはやらないという判断を考えざるを得ない。

手塩にかけて育てた選手を、その上のレベルに預けたら、潰されてしまったというんじゃたまらない。

 

昔、東京で超有名な、今では伝説的になっているほどの選手がある球団に1位指名され入団しながら

まったく、1軍に登場しなかった。

その選手の高校の監督は

「あれほどの選手を育てられない球団には、もう選手はやらない」

としていた記憶がある。

 

そして最も大きな理由はビジネスの観点から1億以上もの投資をする1位指名選手には

ものになってもらい、回収しなきゃという現実があろう。

高校生に1億も払って来てください、などという世界は野球の世界以外考えられない。

一般の就職は、就職先が課す試験を突破したり、面接で自分をアピールしたり、

コストをかけたり、とするが、スポーツの世界はリクルートする側が足繁く通い、

大金を用意して来てもらおうとする。

高校生のガキに。

それも億などという金が飛び交うのは野球だけだ。

 

売り出そうと宣伝もしてるし、それに見合った活躍をしてもらって回収しなければ

フロントとしてはビジネスの才覚がないというレッテルを貼られてしまう。

いわゆる仕事ができない。ということになる。

それよりなにより、損失を出せば球団運営自体が不可能となってしまう。

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