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点をとるのは打つだけじゃないということ

昨日に引き続き前回WBCでのダブルスチールに関連した話。

 

日本代表の大きな敗因の一つとして話題になった内川の走塁ミスだが、

まず、あの場面で重盗という作戦はギャンブルではないかという議論があった。

 

先に、結論を言うと

外国のモーションの大きいピッチャーに対して、重盗(三盗)は常套手段だ。

シーズン中だとギャンブルに近い作戦にはなる。

それは

相手の事をよく知っている者同士が対戦するので相手もこの場面この選手では何をしてくるか。

と警戒する。

 

しかし、

初対面の相手では相手が何をしかけてくるか予想がつきにくい。

まして国際試合の緊迫する場面で守る側が、冷静な精神状態ではいられない。

 

そこでランナーに気をつける意識は薄れるもの。

どうしても打者へ意識は行く。

そこでモーションの大きいというデータを持つ場合、

ベンチとしてはグリーンライトのサインは出して当然だ。

 

この場合、二塁ランナーはタイミングを合わせやすいので成功する確率は高い。

ギャンブルではなくむしろ手堅い作戦といえるのだ。

 

無難に打たせておけば、ベンチとしては非難は免れるだろうが、それが実はギャンブルなのだ。

打たすことは確率の低い作戦なのだ。

 

良い打者でも3割打てば強打者の野球の世界で打たすことはギャンブルなのだ。

まして連打となれば確率は極端に低くなる。

 

逆に3塁までランナーが行けば得点の方法は増える。

凡打でもランナーの技量で得点できるし、取れる作戦も多くなる。

 

つまり

あの場面ではグリーンライトが一番手堅い作戦だったというとになる。

 

シーズンではプロのそれぞれの技術に任せる作戦をとることが常識のようになっている。

 

それは技術を極めたプロの集団であり、

球団と契約する選手の生活、成績、年俸、プライドを考え、

その可能性を狭める行為をベンチはしにくいという理由。

また、しょっちゅう同じ相手と戦うのでオーソドックスな戦い方をとらざるを得ない。

などの理由により

バリエーションのある作戦は見られづらいのだが、こういう野球文化の違う相手、お互い知らない相手と

1試合限りの戦いの場合は、高校野球のような作戦が有効だ。

 

内川が戦犯扱いされ、敗因の第一原因みたいに言われていた時期があったが、

敗因は序盤のバカ凡打と阿部のブレーキ、それからボール球に手をだした拙攻にある。

内川の走塁は敗因のうちには入らない。

 

しかし、プロのすることではなかった。

高校野球ではたまにこの、うしろのランナーだけ走って、

チャンスをつぶすシーンを見かけることがあるが、プロがやるとは恥ずかしいの極みだ。

 

恥ずかしくて1年くらい野球の「や」の字も聞きたくないプレーと言える。

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