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矜恃と真摯

期待に応えることは一番難しいことであり、それができれば、本当の実力だ。

普段やっていることをそのまま本番でも出せることが強いと言うこと。

臆するところがなく、堂々と戦っていた。

自分たちのやれることをやればいいと腹をくくっているようだ。

 

追われる立場での勝負強さと相手からリスペクトされている姿は頼もしい。

 

チーム力から言って、連覇もさることながら決勝トーナメントに行くことすら容易ではないと思ったが、

対戦相手に恵まれたことで良い練習になった格好だ。

試合ごとにチーム力が上がっているようであり、内容が良くなっていった。

オランダ戦の内容は甘いもので、負ける可能性も秘めた試合運びだったが、

さらに甘い相手に助けられた。

 

女子のサッカーはW杯でも実力差があることがわかった。

決定機でもミスをしてくれるチームが多いこと。

 

連戦連勝できる実力があり、

優勝できる可能性にあるのは上位のほんの数チームのようだ。

 

オーストラリア戦はなかなか点が入らなかったが、

ディフェンディングチャンピオンらしく落ち着き、相手を揺さぶり、試合を支配することで

相手にプレッシャーや疲労を蓄積させ、じわじわゴールに近づいていったという感じだった。

オーストラリアとしては「やばい、やばい」と攻められ、最後は踏ん張りきれなかったという印象だ。

 

これで視界が開けた。

 

イングランド戦はつまらない試合だった。

 

攻守に精彩を欠き、ストロングポイントが見えない。

目立つミス。

 

勝負事は相手がいるので、いつもオーストラリア戦のようにうまくいくわけではない。

むしろそうならないことの方が多いだろう。

勝った時でもベストパフォーマンスをしていることは少ない。

 

本番でベストパフォーマンスとのギャップを埋めることがプロの仕事となる。

 

そして、アメリカ。

 

相手の力強さ、スピード、研究に完全に力負けだ。

 

マークされる立場でありながら踏ん張ってきたが、

執念を感じさせるNO.1チームに研究され、作戦を練られ、弱点をつかれたら、

修正し対抗する術はなかった。

 

交代する必要もない試合終盤では、

年寄りの思い出作りかの二人の選手に花道を用意してくる余裕まで見せつけられた。

 

実力のあるチームが、準備をして、机上の計算がハマる。

一方で、弱点をつかれた時の対応を準備しなければいけない。

実力が上回る相手に準備段階で負けていては勝負にならない。

 

勝負におけるいい教訓を得たW杯だった。

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