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イチローと青木と西岡。ヒットマンのそれぞれの立場

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選手はチーム勝利のためのワンピースという話を昨日に続き、展開する。

 

これまで松井稼や井上と緒方の熊工コンビを例にとった。

今日はイチローと青木、西岡を比べて例にとろう。

 

200安打を達成した青木や西岡が、

その達成時の数字をイチローと比べれば、さほど見劣るものではない。

同じシーズンに戦っていれば、首位打者争い、安打数争いを演じたかもしれない。

日本のレベルではイチローに近づいたかに見える。

 

だが、さらに上のレベルに行ったときその実力の差が歴然と現れた。

MLBでの実績は雲泥の差だ。

 

日本のレベルでは、西岡、青木はハイレベルであり、一流選手だ。

イチローの脅威的な記録には、及ばないとはいえ、

頑張ればもっと差が埋まるのではと思わせる。

 

しかし、ピッチャーのレベルが上がる大リーグへ行ったら、差が広がった。

日本を発った日本人のほとんどが戻ってきてもかつての輝きを取り戻すことはない。

これは仕組みが整っていないことが大きな要因だ。

行きたい。やれると思った瞬間がピークであり、

その後、FAやポスティングで移籍してもピークを過ぎた後、しかも、

MLBの舞台では出場機会や扱いが日本の頃のVIPからただの一選手になり、出場機会が少なくなる。

成績も当然、日本よりレベルが上がるため下がる。

するとピークを過ぎ、試合経験が落ちるため実力も落ちる。

したがい、日本に戻ってきた時、ファンや球団はかつての輝きを期待するが、そうなることはまずない。

イチローだけが海外へ渡ったあともなお、奇跡の伸長を見せつけている。

なぜか。

 

イチローが突出してい過ぎたから。

日本の時も成長途上だったのだ。

7年連続首位打者もシーズン初の200安打も成長途上でやってのけたことになる。

だから海を渡った後も

「イチロー伝説的メジャーキャリアの8大ニュース」

1.2004年、262安打を放ってシーズン最多安打のメジャー記録を作る
2.2010年、10年連続200安打達成
3.先頭打者弾は通算37本
4.2015年最終戦で1イニングの投手デビュー
5.メジャー史上2人しかいない新人王とMVPと同時受賞者
6.強肩
7.45盗塁連続成功
8.2007年、オールスター戦でメジャー史上初のランニングホームランを記録

を達成できた。

通算500盗塁でさえ、かすんでしまいかねない大記録ばかりが並んでいる。

 

イチローは世界一になり、青木は、ワンオブゼムだ。

イチローと西岡、青木を比べて、バッティング技術ではイチローが上だが、

成績では差が開かない場合がある。

それは、欠点の多い打ち方だが、

相手のレベルが低いのでそっちの方が合ってしまう場合があるということ。

 

たとえば

ドアスイングは本当に速い球には詰まりがちだが、

遅い球には外回りして遠心力を効かせた方がピタリ合い、飛んでゆく。

ただし、レベルが上がると、そのスイングでは通用しなくなり、成績は逆転することになる。

 

イチローと青木、西岡も同じことが言える。

青木と西岡は、日本にいればトップレベルなので常時試合に出場し、好きに打たせてもらえた。

そして、日本のピッチャーのレベルに合わせ、イチローに匹敵するかもしれないと思えるほどの

成績が残せた。

だが、海外では、他にも特徴のある選手がいるのでワンピースとして二人の特長が生きる場面だけで

使うことをすれば、出場機会は減ることになり、成績も日本の頃とは明らかに劣ることとなる。

場合によっては、3Aにいてもらい、戦況によってメジャーに戻すということになる。

 

一方、イチローは、MLBの舞台で明らかになったように、世界一の技術で

世界一の活躍をしてみせた。

日本にいる頃は、成長途上だったので円熟期にはMLBの舞台でも世界一だ。

世界一の選手をチームの勝利のために使おうと思えば、

好きにやってもらうことが、イチローのピースとしての働きということになる。

 

戦場によって兵法は変わる。

戦う舞台が変われば、使う選手は変わり、実力の差がハッキリわかることになる。

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