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弱小チームの間違った鍛錬 うまくはなるけど勝てはしないⅪ

金曜連載の11回目。

前回につづき、3つ目の要素、体格について。

テーマは、

有望な選手が集中する強豪校にただの野球好きが集まった野球部にも勝つチャンス。を続けている。

勝負を分ける要素の3つ目が体格、その前の2つが情報と経験だった。

 

高校野球などの成長期の選手にとって技術の差は、悲観することでない。

 

経験値が浅い高校生は目を見張る成長を遂げることができる。

それは、考え方が成長するだけでも野球に成果が出る。

技術の差など体力がつけば、すぐに追いつくことが可能だ。

 

室伏が始球式でド素人投法にもかかわらず速球を披露し、プロ野球選手を驚かせた。

それは、体格、つまり体力と筋力が秀でているから可能だった。

 

大谷だって必ずしも

技術に大きく秀でているわけでもバネのような武器があるわけでもない。

何よりの武器は、あの体の大きさだ。

体の大きさが、パワーを生み、体があるこらこそ、技術を磨くことができる。

 

スイングスピードを上げようと、小さい体の人間が1000本の素振りをするのと

大きな体の人間が同じ数だけ素振りをするのと比べれば

スイングスピードの上昇は倍の差になったりする。

 

小さい体の人間がいくら素振りをしようと、大きい体の人間が振る、たった一本の方が

スイングスピードが速い。

 

小さい体の人間はいくら振っても、いくら時間を費やしても、いくら努力しても

大きい体があってこそ可能とするスイングスピードを身に着けることはできない。

 

WBCで日本が2連覇したが、日本の野球が世界一などとは誰も思っていない。

組織力や戦略だけで比べれば世界一かもしれない。

しかし、団体競技として、勝敗は、日本に勝ちがついたが、一人一人の能力を比べれば、

日本人の誰がMLBの球団に所属してレギュラーを勝ち取ることが出来ようか。

それは、体力や身体能力において圧倒的に劣っているからだ。

 

イチローは世界一の技術で、その圧倒的な体力差と勝負し、世界一の選手になった。

だが、イチローのような奇跡の選手は、何人も出現しない。

チームとしてイチローを9人揃えるのは、至難であり、奇跡である。一人でさえ奇跡なのだから。

 

名門校は体が大きい。

対抗するためには、まず体を大きくすることが練習となる。

技術の練習は二の次。

 

毎日、同じようにノックを受けたり、毎日欠かさず走ったり、ウェートトレをやったり、

バットを振り続けることより、食べて、5KG体重を増やし、身長を1CM伸ばすことの方が有益だ。

 

それをやってから練習を積み重ねる。

 

ある高校では3班に分かれ、打撃練習の班、守備練習の班、

そして納豆ごはんを食べる班がローテーションで回り、練習するそうだ。

グラウンドの隅でグローブとバットを持つ手を茶碗と箸を持つ手に変え、立ちながら食べる。

食べるとまた、打撃へ守備へと向かう。

これは成長期の高校生には体を大きくすることが、強くなることと判断しているからこその行動だ。

巨人・菅野は幼少の頃から父親から食いなさい、と食卓にわんさか牛乳や肉が並び、

一番きつかったのが食べることだったと語っていた。

 

海外へ渡った日本人はもともと体が大きいからそれだけの選手になったのではない。

もちろん大きい方だったとは思う。

しかし、目標があるため大きくしたのだ。

プロの世界で通用するために体を大きくしてきた結果なのだ。

大きいことが、成功することの大きな要件。

体力が技術を凌駕する。

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