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弱小チームの間違った鍛錬 うまくはなるけど勝てはしないⅫ

12回目に突入した金曜連載。

テーマは、有望な選手が集中する強豪校にただの野球好きが集まった野球部にも勝つチャンス。だ。

 

勝つためにすべき3つ目の要素である体格についてをつづける。

ちなみに1つ目は情報、2つ目は経験だった。

 

体格が優れていれば、大きなパフォーマンスを発揮できるとして、

前回、大谷と室伏を例にあげた。

 

大谷のバッティングフォームはトップに入ったとき右の肩がグゥッと中に入る。

自然と背中がピッチャーの方へ向く。

背番号は、センターからのカメラでははっきりと見えるほどになる。

すると、正面が左中間方向になり、ベストショットが左中間へ飛距離を出すことになる。

大谷のホームランの多くが、左方向だ。

 

和田から打った第4号は、右中間のホームランだった。

これに
「そこそこ難しいインサイドのボールを回転で打てた」と言っていた。

映像で見ると、ど真ん中だ。大谷は、それが、難しいインコースと感じる。

左中間には自然な体の使い方で打てるものの、引っ張るにはうまく反応しなければ、

ホームランにできないからこの発言になるわけだ。

うまいバッティングとは言い難い。

 

つまり、技術はたいしたことはないと論理づけられる。

ホームランを打てるのは、自分の特長を生かしているからということ。

それは、左方向にフェンスオーバーできる体格、パワーがあるので

それを生かして、そういう打ち方を選択している。

あるいは、自分の技術では引っ張ることは得策でないと判断しているのかもしれない。

 

左方向に打つには、

左打者なら、投球を長く見ることができ、早めに判断しなければいけないインコースを打つより、

ミスショットが少なくなる。

そして、バットは振り下ろすだけでいいので外の球の方が、芯に当てやすい。

自分のパワーを生かすことで、こういう打ち方で生き抜くことが可能となるわけだ。

 

大谷は、バッターボックスではベースから少し離れて立つ。

長いリーチで外も届き、パワーで反対方向へ飛ばし、フォームの特徴の最大メリットを生かす。

真ん中の球も反対方向にわざわざ打つ。

というのが離れて立つ理由だ。

 

大谷が、逆方向に飛ばすとうまい、うまいと表現する。

しかし引っ張ることが得意でない大谷が選択したバッティングだという表現の方が正しい。

清原も右に打つとうまいと言われたが、

清原は、遠回りして出てくるバットのおかげで右にしか打てなかっただけだ。

 

技術が特別優れていなくとも、いいということになる。

欠点を補うために、得意なことを伸ばす。

そして、それを可能にするのは、体力だということ。

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