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大昔から伝わる野球の常套句を検証 野球の‟流れ“の正体Ⅵ

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前回は、‟流れ”というものを生み出す要因として、

チームの方針としてやるべきことをやるということ、ゲームプランとヤマについて記した。

これらは、以前に考察した‟流れ”の正体のひとつ「展開」に含まれるか。

‟流れ”の正体に「展開」、「リズム」があるとし、

「展開」には「やるべきこと」「ゲームプラン」「ヤマ」というキーワードを含むことになる。

 

やるべきことがしっかり出来れば、相手に食らいついて試合を運べる、つまり‟流れ”を引き寄せ、

‟流れ”をやらない。

ゲームプランとは、これもやるべきことをやるということであり、ヤマは、そこを踏ん張るか、

あるいは突き放すかでゲームを手中に収める‟流れ”をつかみ取るということ。

うん、「展開」に含まれそうだ。

ということは、‟流れ”の正体は「展開」が大部分を占めていそうだ。

 

ところで、ここで取り上げている‟流れ”の他にも、本当に存在しているのか立証されていない

専門語がある。それを紹介した日経の記事。

先手は必勝? 昨季ソフトバンク、V9巨人より強し

 

ここに紹介されている「4番が打てばチームは勝てる」「四球の後のストライクは狙われる」

「代わった野手のところに打球が飛ぶ」「野球は2死から」。

 

「4番が打てばチームは勝てる」と「四球の後のストライクは狙われる」というのは、

意思をもって、そう仕向けているので空虚なことばではない。

 

4番打者にはチャンスが回るよう打順を組んでいるので

4番が打てば点が多く入るように仕向けていることになり、当然、勝ちやすくなる。

四球のあとは、ピッチャーがストライクが欲しくなり、カウントを取りに行きがちだから、

打者はそこを狙って打ちに行くのでこれも、打者の心理が、そうなるよう仕向けていることであり、

狙われる傾向が強くなる。当然だ。

 

「代わった野手のところに打球が飛ぶ」「野球は2死から」は、選手の意思とは関係なさそうだ。

代わった野手は、レギュラーの選手より守備力がないだろう、

そして途中から出てきて緊張しているだろうと、打者が狙って打つようなことは少ない。

プロの場合、途中から出てきた選手は、レギュラーより守備力が上の場合がむしろ多いし、

代わったところへ打とうという話も打てという指示も聞いたことがない。

 

にわかに言い出した「代わった野手のところに打球が飛ぶ」を耳に挟み、

本当に飛んだことで印象づけられ、さらに流布して行ったくらいのことだろう。

代わった野手以外のところに打球が飛んでも印象に残らないので、忘れ去られていくだけ。

 

「野球は2死から」も同じような理由だ。

2死と追い込まれてから点を取れば、印象深いし、盛り上がる。

無死からの方が確率が高いし、1死からではインパクトに弱い。

「野球は2死から」という標語をつくり、攻撃チームは気落ちせず、

前向きに攻撃しようと鼓舞するためのことばだろう。

 

そして、この記事で特集している「立ち上がりの攻防がカギを握るでしょう」については、

数字を交え統計、分析をしている。

ただ、これら統計、分析をせずとも、立ち上がりの攻防が大事なのは容易に想像できよう。

まず、第一に立ち上がりはペースをつかみづらい。特にピッチャーは立ち上がりが最も難しい。

そこに付け込んで、大量得点し、一気に勝負を決めてしまい、後は0行進なのに

結果、大差という試合は、高校野球には数ある。

 

そしてこの、不安な立ち上がりで、両者無得点あるいは得点あるいは失点、

そしてその点差によって試合運びを考えることになる。

両軍がその後をどう試合を進めていくか。

その両軍の思惑により、試合が展開していくことになる。

‟流れ”の正体のひとつ「展開」がまたここでも飛び出した。

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