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格下が格上に勝つために

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昨日の東京都高校野球秋季大会決勝。

9回を迎える時点で、日大三3‐4佼成学園というスコアだった。

 

戦力を比べれば、日大三の方が格上という構図だったはずだが、

佼成学園は、ピッチャーが相手打線から耐えて、ゲームを作っていった。

特に、初回、四球2つとヒットで1死満塁からホームゲッツーで無失点。これが大きかった。

ここで、失点していれば、一気に大量失点につながった可能性があり、

ゲームが決まってしまうところだ。

 

攻撃では、序盤、相手のミスに乗じて内野ゴロの間に1点、

さらにその後の回、フィルダースチョイスで1点、いわゆる効率の良い攻めでリードを奪った。

終盤にはホームランも飛び出し、実力上のチームに対して理想的ともいえる試合運びをしていた。

 

理想的とは、凌いで、耐えて、その間に加点し、相手を黙らせたまま試合を終えるという戦い方だ。

格下のチームは、相手にチャンスを与えてしまうと一気に試合を決められてしまう。

格下のチームは、逆転することが難しいので、序盤の立ち上がりなど不安定な時に得点し、

相手が上手くいかず、首をひねっている間に試合を優位に進め、焦りを生み出し、

逃げ切る戦い方が常道となる。

今夏、ノーシードの都立総合工科が、日大三相手にジャイアントキリングかと思われた試合も、

そういう戦い方だった。

 

9回1点ビハインドの日大三は、先頭が四球を選び、ガッツポーズ。必死だ。

送りバントのフィルダースチョイスの後、一気の猛攻で結果は大差となってしまった。

 

フィルダースチョイスのプレーは、刺しに行けるタイミングだったが、

三塁送球が少し高く行ってしまった。タッチプレーだったのでギリギリセーフとなったプレーであり、

ここはチャレンジして良かったろう。ミスとも言い切れない。

ただ、先頭を歩かせてしまったことが、大きな痛手だった。

歩かせていなくとも、打たれていたかもしれない、負けたかもしれないが、

打たせれば、ミスショットがある。バックの野手が守ってくれる。

9回先頭を歩かせたところで、日大三は行けると思い、佼成はいやーな展開となった。

 

耐えて、忍んできた佼成学園が、9イニングでついに粘り切れなかった。

勝つ方法は、9イニングをどう粘るか。

実力上の相手には、とにかくこちらのできることをミスなくやりきる。

格上のチームは自分たちが犯したミスのひとつやふたつ帳消しにしてくる力がある。

その程度のこと、気にもとめないくらいの試合運びをしてくる。

格下が、チャンスを与えてしまうと、そこで負ける。

 

ところで

東京の秋季大会は、雨の影響もあり、約2か月を要した。

他の関東の県大会はとっくに終わっており、さらに関東大会も、とっくに終わっているほど。

また、この決勝には佼成学園が初めて甲子園に出たときの監督がスタンドに駆けつけていたそうだ。

元プロ野球選手であり、その後、佼成学園を甲子園に導いたそう。

今西 錬太郎氏。

テレビで実況、解説をしていた人が、小学生の頃、そのプレーを観たというくらいだから

相当、古い選手なのだろうと思ったら、なんと90歳を超える年齢だそうだ。

日本の野球文化は素晴らしい。

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