甲子園の余波がある、この8月の終わり。
大学日本代表が高校代表に勝ち、面目を保った。というより当たり前に勝った。
神宮は前売り完売で当日券なしというほどの人気だ。
大阪桐蔭の春夏連覇で、この将来のスター達が高校生のうちに、大学生相手にどんな試合をするか
見ておきたいというのと、吉田人気によるものと思われる。
毎年、甲子園が終わったばかりの時期なので、その感動に触れた、にわかファンも巻き込み
注目度が高くなる。
壮行試合という名目に過ぎないのに、前売り完売とは驚いた。毎年そうなのか。
試合前には、野球教室を開催し、それが終わると弁当を子供たちと食べながら
報道陣に受け答えするサービス。
試合は神宮を一杯にし、東京でのメニューをこなせば、宮崎へ移動。
本番前に宮崎で試合をこなし、いざ国際戦。
もう、プロとなんら変わらないスケジュールだ。恐れ入る。
神宮を一杯にするほど注目されれば、当然、大学生も気合が入る。
負けるわけにはいかない。しかし、負けることはない。
彼らも数年前、甲子園を盛り上げた連中だ。その時、キャーキャー言われていたのは彼らの方で、
時の経過と取り上げ方が変わったことで、その立場は現役高校生に譲るが、実力では負けない。
甲子園に出ていなかった選手でも、
大学で実力を伸ばしており、甲子園で騒がれた選手に追いつき、追い越して代表になっている。
高校生に負けるわけがない。毎年、大学日本代表が貫禄を見せている。
この日の高校代表のクリーンアップは、そのまま大阪桐蔭のクリーンアップが務めた。
そして、根尾がライトに入った。
根尾は、プロではショートを希望している。
ドラフト1位候補でショートをやろう、という選手が代表だとライトに入ってしまう。
根尾ほどのスター選手が、本職以外をやるというのは代表とはいえ、高校では珍しいのだが、
こういうことは、チーム力を最大にしようと思えば起きることだ。
特に、ショートというポジションは、チームで一番センスのいい野手が担う。
チームの中心選手であり、打撃力も高い選手が多い。
それが、代表チームに召集となれば、当然ショートが本職の選手が揃ってしまう。
今回も、根尾、小園、奈良間、日置と甲子園を沸かせた選手がショートでかぶった。
だが、ここでまた便利なことも起きる。
ショートをやる選手はハイセンスなので他のポジションもこなしてくれるのだ。
だから、ショート小園、セカンド奈良間、ファースト日置、ライト根尾という布陣が出来上がる。
いつの時代でも、このショート複数ということは起きる。プロの代表でも同様だ。
ここで、根尾をライトにするという選択は、根尾に外野経験があり、
ピッチャーとしての起用もあるというのが一番の理由ではあるが、
チームの力を最大にしようと考えた場合の布陣でもある。
小園も奈良間も日置も根尾も使いたいとなれば、
小園のショート適正が一番だからというわけではなく、
バランスを考えて、他のポジションの適正とともに配置していくのだ。
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