8/3の横浜-広島でプロではあり得ないとされる采配が出た。
横浜が終盤、1,2塁にランナーを置いた場面で、代打にピッチャーのウィーランドを送った。
この時の打席はキャッチャーの嶺井だった。
これまでも、ピッチャーが代打に登場することはあった。
古い時代では珍しくもなかったようだが、それは選手層が薄く、レベルの低い頃の話。
最近では桑田や松坂が代打に立っているが、これはピッチャーの打順の時だ。
ところが、この時はピッチャーでない嶺井の時。
キャッチャーで打撃力が高くないという判断はあっただろうが、
それにしてもピッチャーよりは打席数は多いし、打撃練習はしているし、
アマチュアからプロにかけての経験も多い。
これは、選手のプライドを慮れば、あり得ない作戦といえる。
たとえ、ウィーランドが普段、練習しているといっても遊びの範疇は越えまい。
嶺井自身のプライドを傷つけるばかりか、他の選手はそのやり方に監督不信をもちかねない。
プロでこんな采配は初めて見た。
大谷の例があるから、割と受け入れやすくなった風潮はあるものの、何でもありかよという感想を
持つ。
大谷はプロの打者として練習しており、それで戦力に数えられ、給料をもらっている。
漫画「光の小次郎」では、
打撃力のある小次郎が入団したことでDHを使わないという選択を監督がした。
この時、DH職人のベテラン日照が干され、チーム内には不協和音が生じた。
キャッチャーは、打撃力が劣っていても守備力だけでチームは必要とする。
特別なポジションであり、一朝一夕でできるポジションではないため経験を積んだ選手が担う。
経験がものをいうだけに、長く現役生活を送ることができる。
高校時代、“山陰の呂明賜”といわれ、島根大会5試合で7ホームランを記録し、東の江藤、西の谷繁と
当時の高校球界屈指の強打者だった谷繁は、プロでは打撃力が低かった。
しかし、27年の現役生活、通算出場試合数1位、2000安打の最年長記録などは
キャッチャーであるがためにできた記録だ。
キャッチャーは、代えがききづらいため、長くやることができる。
そのため、ピッチャーの次にバッティングを疎んじるのがキャッチャー。
キャッチャーだから、代打を出しやすかったというのはあるが、
それでもピッチャーに代えるという、あり得ないとされる采配。
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