野球は時間制限がないので、攻撃と守備をそれぞれ分担し、お互いに同じだけの機会を与えることで均衡をとっている。
アウトカウントやイニングといった仕組みは他の競技には見られなく、野球の特徴だ。
同じくアメリカで生まれたアメフトは野球と似た仕組みがある。
多くの対戦型スポーツは時間制を採用し、その中でどっちが多く点をとったかで勝敗を決する。
サッカー、ラグビー、バスケ、アイスホッケーなどはこれだ。
野球と同じように攻守が交代するアメフトも時間制。
サッカーではドーハの悲劇、バスケではブザービーターといった、時間制ならではのドラマがある。
時間制をとらない場合はどちらが先に決められた点数を取るかで勝敗を決す。
バレーボールやテニスがこれ。
これにおけるドラマはリオオリンピックでのバトミントン女子ダブルスでの大逆転金メダルは興奮したものだ。
決められた点数ではなく、決められたアウトの数という制約のある野球には逆転サヨナラというドラマがある。
ちなみに対戦型というのは両者が相手と交わりながら相手によって攻めと守りの戦略を練っていくスポーツの事だ。
対戦型でないものは陸上や水泳のように自分のタイムをいかに速くするかとか、
ゴルフのように自分のスコアをいかに少なくまとめるかとか、フィギュアや体操のように
他者の採点に委ねるというような自分のベストを発表する競技を言う。
制限時間がなく、決められた得点もない野球は誰もコントロールしなければ
どんどん試合時間が長くなる。
誰もコントロールしなければ、途中で睡眠をとって、ピッチャーを休ませて完投、連投も可能となるわけだ。
かねてからプロの試合時間は長いとされ、いくつかの対策が講じられてきた。
時間に制限がない野球はプレーをしていない時間をわざとつくり、考えることをする。
インプレーの時間の方が短いという特徴がある。
すると、これが醍醐味と化した。
将棋のように長考の末の1手が妙味となったのだ。
サッカーが3時間の試合時間を設定されていたら、選手はペース配分を考えるか、
チームは多くの代えの選手を必要とすることになる。
ペース配分をするということはパフォーマンスを抑えるということになるから、
意味のない時間が出来るということになる。
それならば、時間を短くすればよくなり、短い時間で人の興味を引くことができる娯楽として完成するのなら
生産性は高いということになるわけだ。
明日へつづく。
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