両チームの先発ピッチャーが右ピッチャーだと、“両右腕の対決”とはあまり言わない。
それに対して左同士だと“両左腕の先発”とか、投手戦になれば“両左腕の投げ合い”と言う。
これは左投げが少ないからだ。
と言うより左利きが少ないからだ。
世の中は右利きの方が多い。これは大小の差はあれど、全人類、全地域、全文化で共通することなのだろう。
左打者は多い。
野球のルール上、左打者の方が一塁に近く有利だから右利きでも左に変える。
打つ方を逆に変えることは難しくないが、投げるのは難しくなるし、
ましてピッチャーというもっとも大変なポジションは利き腕と逆ではまず務まらない。
利き腕でもピッチャーをやるのは選ばれた選手だけだから。
人は右利きが多く、ピッチャーは利き手を変えることができないのに、
変えることが投げるのに比べて圧倒的に容易な打つ方で右ピッチャーに対しやすくなる左打者が
右打者より一塁に近いのは不公平だろう。
右ピッチャーが見やすく、さらに一塁に近くなるなら左打者になろうとするのは当然だ。
右ピッチャーは左打者ばかりになるのがいやだけど、左投げには変えられない。
走塁が右周りになれば、右ピッチャーに対することが難しくても一塁ベースに近いから
右打者のままでいいと選択し、わざわざ左打者に変えることは相当少なくなるはずだ。
左打者が対右ピッチャー有利を捨ててでも、脚を活かして右打者になろうとする
選手も出てくることだろう。
明日へつづく。