栗山はピッチャーで勝負する、と宣言している。
日本のピッチャーの面子、能力、実績をみれば当然そういう戦いになるし、野球はピッチャーで
決まるのでピッチャーで勝負するのは当たり前だ。
バッティングで勝負する、などと言う監督はいない。
ピッチャーで勝負するのは当たり前なのだが、そこで
「ピッチャーが足りないということは許されない」という発言をしていた。
これはピッチャーのメンバーが多い、という印象の記者に対する答えなのだが、
そう言うなら左ピッチャーが足りないと思われるところだが、
どうやら大会ルールでワンポイントが禁止になった。
左ピッチャーは相対として少ない。
人間は右利きが多いから当然なのだが、左打者は少なくない。
むしろ逆転している印象さえある。
今回のメンバーも左打者が半分を占める。
他の国も左の強打者は多くいるだろう。
戦術としてワンポイントは重要だ。これが勝負を分けると言ってもいいほどだ。
それが禁止ということはベンチワークの勝負への影響度合いを低くさせるルールと思える。
ところが、もう一つ球数制限というルールが起用法を難しくさせる。
少なくしたところで次に投げられない可能性があったり、完投できるほど投げさせてもらえなかったり、
とは言え負けたら終わりだから出し惜しみもできない。
また、「勝つことが使命」「若手を選ぼうとしたことはない」
「状態が悪ければスパッといかなければいけない」という発言。
どれもその通りであり、そのためには知名度や能力を優先する必要はない。
その場面で最も成果を期待できる、確率の高い、調子のよい、最善の選手起用をすればいい。
だから、場面によってはダルビッシュより左ピッチャー、大谷より左ピッチャーが優先される。
とは言っても、たとえ大谷に結果が出ていなくてもベンチに置いておく、という起用はあり得ない。
福留に結果が出なく、ベンチに引っ込めた過去があったこととはわけが違う。
どんなに調子が悪そうでも大谷ならいつかやってくれる、という期待が常につきまとうからだ。
イチローが調子悪くても使い続けたように、次元の違うプレーヤーは使い続ける。