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チームはそれぞれの役割で力を最大にする

SARASOTA, FL - SEPTEMBER 13: Shiro Mabuchi #30 of Japan talks to his team between innings during the WBSC Baseball World Cup Opening Round Group B game between Chinese Taipei and Japan at Ed Smith Stadium on September 13, 2022 in Sarasota, Florida. (Photo by Mike Carlson - Samurai Japan/SAMURAI JAPAN via Getty Images)

高校野球には格差があり、予算をかける判断をした高校に実力のある選手が集まる。

ただ、そうでない例えば公立校でも可能性は十分ある。

それは高校生は実力が飛躍しやすい成長期であるからだ。

 

しかも一発勝負。

公式戦の一発勝負で格下が逆転することは大いにある。

実際にジャイアントキリングは高校野球の醍醐味だ。

 

チームとして目標や目的をもってチームづくりに取り組み、何も今いる選手たちが在籍している最中だけでなく、

長い目をもって持続する環境を整えていくことがこういう逆転を生む。

各年の選手が成長し、その教訓を次代へつないでいく。

培った教訓のうち良いと思われることは伝承し、特に欠陥に関しては徹底して潰すよう次代へつなぐ。

 

チームの目標を先々まで目指しての強化にした場合、全ての選手に同じだけの環境を与える必要はない。

実際に強豪校は選手を途中からマネージャーにしたり、裏方にしたり、情報収集係にしたりする。

最後の大会を迎える頃には夏を戦うメンバーが決まれば、その他の選手が裏方に回ることはよくあるのだ。

それはチーム力の最大化が目的であり、全員に練習環境を整えていたら時間がもったいなく、

それよりは実力のある選手がその環境を利用し、その他の選手は情報の収集や

戦う選手の手伝いをすることが目的達成に効率良いからだ。

 

毎年入部する選手が一定期間で去っていく高校野球でチームを強くするには近視眼でとらえず、

勝負の年、そして次代へつなぐ取り組みが、やがて良い選手が集まる素地ともなる。

選手として一線を退く部員たちも戦力として見られなくなったわけではなく、

むしろ適所への配置でチームをより強くさせる戦力として力の発揮場所となる。

今いるチームの大会での成果のみならず、次代へつなげる新陳代謝は母校野球部の底上げになり、

やがてOBとなった立場で後輩の活躍を見れば、裏方に回った部員にも大きな意義があることがわかり、

そして彼らの人生にもきっと好影響を与えることが多分にあるだろう。

 

もちろん今、高校野球の真っただ中にいる選手たちはその後へつなげることを考えてやる必要はなく、

今を一生懸命やればいいのだが、野球部である以上、野球は勝負なので負けていいはずがないのだ。

高校野球は負けて学ぶことも多いし、それが人生ではあるものの、勝利こそ優先されるものであり、

勝利を求めてチームをつくる。

したがいチーム力最大化がチームにとっては最も好ましいのだ。

全体での底上げよりトップを走る選手の実力をさらに伸ばすことの方が勝負で見ればいい。

 

2年数か月と期限が決まっている高校野球。

全体の底上げをはかるにはあまりにも短い期間。

やり残しや方向違いだらけになってしまう。

また1年生入部から夏までを考えれば数か月。

それが終わるとまた新チーム育成と同じメンバーで戦うのは長くても1年。

チームを引っ張る立場の選手の実力が伸びるほど及ばない選手はチームのためにということを考えるかもしれない。

 

練習環境は先頭を行く選手たちに傾く。

すると助けてくれる仲間たちの為にも目先はライバルチームに向けられ、そこに勝つために

闘志を燃やす循環を生む。

これこそチームだ。

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