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だれも予想しなかった偉業に潜む過酷な条件

昨日の元ヤクルト・宮本の話のつづきを。

宮本の2000本安打を達成するのに不利な条件とは。

 

ひとつ右打者であること。

 

ヒットを稼ぐ、打率をあげるには左打者が圧倒的有利だ。

名球会に名を残す打者、打率の高い打者は左打者が圧倒している。

それは、右ピッチャーが多いということと1塁までの距離が短いことにある。

 

左打者が右ピッチャーに対峙する際には自分からは、

対角になるようにボールを見ることが出来る。

右打者より首をひねる必要が無く、両目で見やすくなるのだ。

 

右打者だと自分の背中からボールが来るような感覚になる。

 

また、

左打者と右打者では1塁までの到達が2~3歩、

いや4歩違う。

よって打ち損ないの内野ゴロが、ヒットになる確率が高くなるのだ。

 

ひとつ大学→社会人を経由していること。

 

大学→社会人からプロ入りすると25歳が、ルーキーイヤーとなり高卒とは6年も差がある。

 

その分現役期間は短いので当然、試合数、打席数が少なくなるわけだ。

 

その中でヒットの数を増やすことは大変となる。

 

大学→社会人で2000本以上の打者は古田と宮本だけだ。

しかもどちらも右打者。二人とも頭脳派だ。

 

右打者として長くやるための方法、トレーニング、観察に秀でていたのだろう。

 

 

ひとつ、

これが一番特筆されることで、この条件が一番難しい。

 

それは、

宮本は犠打の日本記録を持っているということだ。

 

つまり犠打を要求される選手は、別の選手にチャンスを回す役割なのだ。

そうすると打席の中でいろいろな制限が生まれる。

犠打の日本記録を持っているように、バントのサインが出れば当然、ヒットは打てない。

また盗塁やエンドランがあるかもしれない場面では、カウントを待って初球から打つことは許されない。

 

盗塁のサインなら塁に出たランナーが、走りやすいようにカウントをつくる。

 

ピッチャーが変化球を投げざるを得ないようにしたり、

走った時にストレートが来て刺されると思えば、ファールにしたり、

自分のバッティングよりも盗塁が優先されてしまうわけだ。

 

エンドランのサインならボール球だろうが何が何でもバットに当てなければいけなく、

打つ方向も基本、右に打つし、フライは絶対ダメ。転がさなければならない。

 

自分の好きな球を好きなカウントで好きな方向へ打つということができない

制限をもたされる役割だったのだ。

 

自分の好きなように打席をつくることができない。ということは、1度の打席でチャンスが何度もなく、

1球を仕留めて行かなければならないプロの世界でヒットを重ねるには大変な不利な条件だ。

 

これが宮本の記録を偉大なものにしている

不利な条件3つ。

 

さらに宮本について興味深い話があるので

次回以降で。

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