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革命を起こした男

古田敦也。

メディアから伝わる人間性と野球選手としての実績において敬意を表する1人。

 

野球解説においても

経験を交え、プロの観点から精神論や抽象的な表現を排除した、

我々素人には知りえない技術と戦略を伝えている点に大いに好感が持てる。

 

人間性において 明るく実直な人柄から野球評論タレントといえる。

 

実績については、

古田の出現により捕手の重要性がクローズアップされた。

インサイドワークや統率力でヤクルト黄金時代を築く大きな原動力となった。

 

ヤクルトが優勝した年は必ず古田が活躍し、古田が振るわないときは

決まってヤクルトが低迷したことからもそれが言える。

 

ID野球の申し子と言われたが、野村監督就任によるタイミングも、古田をスターにした大きな要因であり、

タレントスター古田の運のよさだ。

 

そして

特に私が言いたい悪条件を克服した古田の偉大さ。

 

大学から社会人を経て入団した選手で2000本安打を達成したのは、

古田が最初だ。(宮本が達成し現在は2人となっている。)

大学から社会人では高卒入団に比べ、6年も遅くなり、その分プロ野球選手でいられる期間も短くなる。

 

また右打者であることからヒットを重ねるのは左打者に比べかなり不利。

その上、古田には足がないので、内野安打がまずないことから しっかりヒットにしなければいけない。

 

そして

キャッチャーというポジション。

キャッチャーは自分のことに集中できないポジションだ。

ピッチャーのことを考え、ピッチャー一人一人の性格まで配慮しなければならない。

ベンチにいる時も自分の打順が回ってくるのがわかっていても

試合の展開、相手打者について、考えなければならない。

自分のバッティングについて考えられる時間が極端に少なくなる。

チームの勝利が優先されるので、おのずと相手に点をやらないことに神経は移ってしまうのだ。

 

そして、

キャッチャーは相手バッターのバットが一番近くにあること、

全ての球を受ける機会があること、

クロスプレーには体当たりされること、

から、怪我が尽きないポジションだ。

 

大学→社会人のプロセス、

右打者、キャッチャーでというポジション。

これらの最悪の条件の中で名球界入りを達成したのは特筆されることなのだ。

 

残念なのは、

球団の古田におんぶにだっこのおかけで、プレーイングマネージャーにさせられたため

その選手寿命を短くさせられたこと。

 

選手に専念させていれば今でも現役でやっていたかもしれないのに。

 

脇を空けて捕球するスタイル。キャッチングの常識を覆えた。このやわらかいキャッチングは惚れる。

 

古田ならではのプレー。キャッチングのうまさ、フットワークの巧さ。捕ってからの速さ、肩の強さ。

ハーフバウンドの投球にもかかわらず盗塁を刺してみせた。

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