名球会入りの条件として投手と野手(打者)の差は述べた。
野手の中でもいくつかその差があることも述べた。
そしてまた、別の見方もできることが分かった。
それは、掛布に見ることができる。
ミスタータイガースと言われた掛布。
私の小さい頃の阪神の不動の4番だ。
私と同い年の松井も阪神ファンであり、掛布にあこがれたそうだ。
プロ入り前は阪神に入団したかったと言っている。
掛布は千葉県・習志野高校からドラフト6位入団だ。
ほとんどテスト入団のようなものだったとも言われる。
同い年の江川とはえらい違いの扱いだ。
世間の注目を一身に浴び、実力を落とした感のある江川に対して
世間には知られていない掛布はしっかりと鍛え、
後に、二人はライバル、名勝負と言われるまでになった。
掛布は体が大きくない。
それでも、ファンの期待に応えようとホームラン打者の道を
歩んだそうだ。
これがまず一つ目の条件だ。
本人はホームラン打者ではないと語っている。
ホームラン打者ではないのにホームランを求められてしまった。
ホームランも打てる中距離ヒッターくらいの打者が、
チーム事情やファンの要望からホームランを打つ打ち方を
体得していったことになる。
無理をしたそうだ。
掛布の打ち方は独特であり、子供の頃よくみんな笑い半分で
マネをした。
今、見てもあの打ち方でよく打てるものだと思う。
掛布は名球会入りしていない。
つまり、2000本のヒットを打っていない。
それは、30代前半の時に手首にデッドボールを受け、
それ以降、成績が低迷し、引退に追いやられたからだ。
あきらかにあのデッドボール以降、精細を欠いた。
現役生活は15年。
ホームラン王3度、3割越えの年が何度もあることを考えれば
実力は名球会入りしていいはずだ。
そして、掛布にとって不利なことが、もう一つ。
それは・・・