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98回大会の名選手、特徴プレー映像

アジア選手権が終わり、現高校三年生の公式戦は国体を残すだけとなり、

高校球界は次世代へ目が向いている。

引退に向かう高校三年生は、次にステージへ誰がプロへ、誰がドラフト上位に、誰が大学へ、

といった興味に移る。

 

先日この場で印象に残った選手を記し、その選手の特徴的なプレーを記した。

映像を付してその内容を確認したい。

 

まずは、この大会で最も名を売った作新エース・今井。

今井の特長は何度も甲子園にどよめきを生んだ速いストレートとそれを生かした切れの良いスライダー。

今井は、本人が大谷の投げ方を参考にしていると言っているように明らかに真似ている投球フォームだ。

3回戦であたった花咲徳栄、準々決勝であたった木更津総合の各打者は

速い球が意識にあるのでスライダーが見えていない状況が続いていた。

おそらく、経験のないほど鋭いスライダーだったのだろう。

真っ直ぐ自体、これだけの球を投げる高校生はほんの一握り、他にいないとも言えるほど。

その真っ直ぐに意識が行けばいくほど、同じような軌道で変化しては対応できない。

真っ直ぐと思って振ったら急に曲がりボール球になってしまうのだ。

ワンバウンドになるようなボール球でも多くの選手が振らされていた。

しかも、浅いカウントで、絞って打って行っていい場面で振る必要がないのにもかかわらず、

ボール球を振ってしまうのだ。

このことからもストレートとスライダーの見分けがついていないことがわかる。

真っ直ぐに絞っているのにファーストストライクを打ちに行ったら、

そこからキュッと曲がり空振り、ハーフスイングとなる。

経験のないような変化球を見たとき、打者はよくこういう空振りをすることがある。

真っ直ぐを待っているところに、その真っ直ぐに見える球を打ちに行ったところ

さあ捉えようとしたそのボールがキュッと曲り、ワンバウンドのボール球になるというわけだ。

花咲徳栄の打者は内心

「こんなに曲がるのか」

と思ったのではないだろうか。

今井は小さく曲がるカットボールを多投する。

いわゆるスライダーよりこちらの方が多かった印象だ。

大きく曲がるスライダーはストライクになる確率はそう高くないように感じた。

となると大きく曲がるスライダーは 捨てていい球。

しかし、真っ直ぐに見えてしまい振ってしまうのだ。

経験し、慣れればバットも止まってくるのだが、1試合の中で対応するのは難しい。

木更津総合の監督も低めのスライダーに手を出すなという指示だったそうだが、

手が出ちゃうもの。

 

次は、甲子園には出場しなかったものの昨年から注目していた桐光学園、中川。

横浜戦の初回、2点を横浜が先制し、その裏4番を打つ中川が当てただけというような打ち方で

レフトへオーバーフェンスさせ、逆転した。

外角高めの球を投球に肩と腰をぶつけるように上からかぶせるてたたくと、

ヘッドが立ち、当てただけのようでも飛んでいくもの。

とくに、中川は脚を大きく上げて、体重移動を施すのでなおさらだ。

https://www.youtube.com

 

その横浜戦では中川がどんなピッチングをしてくれるかととても楽しみにしていた。

ところが、中川は先発回避、初回の2点を含め点差を離され、格上に追いかける展開とした。

チームにどんな事情があるのか知らない、中川に長いイニングを投げさせたくないのかもしれない。

しかし、観ている方としては、中川に投げさせなければ勝ち目がないので早く、早くという気持ちだった。

 

 

厚木北・金田。

厚木北は4回戦桐光学園とぶつかり、

4回戦にもかかわらず何気にドラフト候補同士のピッチャー対決だった。

金田は、球威があり、これから楽しみなピッチャーだが、

途中から登板の中川が1安打しか許さず、桐光学園が貫禄を見せシャットアウトで5回戦へ。

厚木北は県立だが、チームそのものも力があった。

もう少し先まで見たいチームだし、見たいピッチャーだった。

 

去年1年生で注目した桐光学園・渡部が2年生になり、2番打者としてつなぎを意識していた。

渡部は足が速く、球際に強い。体が小さいが、センスの良さを感じさせる。

足が速く1年生の時からすでに試合の展開を考えてプレーしているようだった。

センターで快速を飛ばして好守を見せる中日の大島のような選手。

 

 

慶應の1年生1番打者・下山。

守備、打撃ともセンスの高い選手。今後の神奈川を代表する選手になるだろう。

 

花咲徳栄の高橋は、怪我で投げられない期間があり、その間に下半身を鍛えたそうだ。

これによりものすごい太い脚を獲得し、力感なく投げても速い球が行くようになった。

この映像の春は上半身に力が入っている。

花咲徳栄の各打者はコンパクトな振りが目立った。

チームでそういう打ち方を目指していたのだろうか。

特に2年生4番西川は将来が楽しみな好打者。

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