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黒田の見事な一流の引き際

Hiroshima Carp pitcher Hiroki Kuroda (L) is presented with a wreath of flowers by teammate Takahiro Arai in commemoration of his 200th win of his career in Japan and Major League Baseball, following the team's 7-0 victory over the Hanshin Tigers in Hiroshima on July 23, 2016. (Photo by Kyodo News via Getty Images)

先日、いまだにしがみつくということで松坂について記した。

2019-10-7 松坂はまだしがみつく

それとは対照的な黒田の引き際の見事さについて振り返っておこう。

 

黒田は広島に戻ってくる前年、199イニングを投げ、ローテーションを守りきった。

先発投手の責任は勝ち星を伸ばすことではなく、ゲームをつくることと

ローテーションを守ることにある。

勝ち星はその時の運でついたり、つかなかったりするから、それよりも、点をやらず

点差が離れないよう、勝つ可能性をチームに残すことの方が大事となってくる。

点をやらないということは、当然ローテーションの中心として起用されることになり、

当然、ゲームをつくることができる。結果、チームへの最上の貢献となる。

 

黒田はイニング数、ローテーション共にチームの期待に応えることになったので

MLB球団から20億以上とも言われるオファーへとつながった。

しかし、黒田は、それだけで現役続行とは判断できない、と語っていた。

40歳を迎えた年齢でもう一度世界のトップで同じかそれ以上の仕事ができるのか、

一年間自分のモチベーションと体力を維持させるだけの状況に持っていけるのか、

自分がいることで若い選手の将来の妨げにはなっていないか、

といったことが頭にあったのであろうと推測する。

 

そしてそのシーズンが充実していればいるほど、

来季にもう一度リセットするのは大変な作業となる。

 

勝負の世界に身を置くわけなので、我々が感じる以上に大変なはずだ。

やりたいだけで固執する見苦しい松坂とは対照的な思考だ。

冷静に自分の立場と周りの状況を判断している黒田は状況を客観視していた。

 

明日へ。

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