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史上最高のサクセスストーリー 野村

3人目は野村だ。

貧困の暮らしの中、弱小野球部で京都予選では早々に敗退するようなチームだった。

貧乏脱出のために歌手になろうとも考えたと言う。

ということは、その境遇がなければ一攫千金の野球の世界を目指そうとは思わなかったかもしれない。

中流の家庭ならば、現実的な道を歩み、進学を、とか就職を、と考えたかもしれない。

だから、野村は母親のことを話すときにはいつも涙を浮かべていた。 

 

そして南海のテストを受ける。

テストでは遠投で規定の距離に届かず、困っているとスタートラインを担当していた2軍選手が

前行け、と言ってくれて、合格ラインを突破したそうだ。

 

入団してからも1年目シーズンオフに戦力外を告げられるが、自殺するという脅しともとれる交渉で

なんとかクビを免れた。

 

弱小の高校でスカウトの目にもとまらない無名選手、テストも本来合格ラインに達していない。

極めつきは戦力外を告げられてさえいる。

そんな選手が打撃記録で通算2位というものが多いほどの球史に残る大選手になった。

史上最高のサクセスストーリーか。

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