福留、糸井という球史に残る選手を筆頭に能見、内海、明石といった選手が別れを決意し、
内川が先日引退を表明した。
長く球界で活躍したこれらの選手は明石以外、いくつか球団を渡り歩いた。
福留は7球団競合のドラフトも近鉄拒否、中日逆指名後、FAで海外、阪神から中日という足跡だった。
糸井はトレードとFAで3球団、能見は自由契約でオリックスへ、内海は人的補償で西武へ、
内川はFAで地元九州へ戻った後、戦力外から晩年をヤクルトと、その形はそれぞれだ。
プロの世界は、それは仕事であり、生計を立てる手段であるので自分の働きということに最も注力する。
チームからいらないとされたら、生き残りをかけて、昨日まで味方だったチームが敵になることも頻繁に起こる。
一方で、チーム勝負なので個人ばかりを考えては本来うまく機能しないはずだ。
高校野球の夏の大会で4打席ホームランしたのに負けてしまう事と自分がノーヒットにエラーでも
勝つという事ならどちらがいいかと言えば後者がいいだろうし、プロのペナントレースなら負けても
4打席ホームランの方がいいだろう。
今年引退を決めた各選手も皆、ドラフトから始まり、トレードと自由契約、人的補償と
自分の意志ではなかなかチームを選べない。
実績を残すことによりFAでやっと自分の意志が通るが、それでも相手のチームがあってのことなので、
最適となるかはその時による。
海外への道を切り開いたとされる野茂も海外へ渡ったのは近鉄に複数年契約を断られ、もめた結果だった。
チームもあらゆる事情があるため選手の意思とすり合わないことが多くあり、
そうなるとチームのために頑張ろうという意識が選手も薄れる時があるだろう。