毎日野球コラム - 野球コラムサイト -

絶対に真似できないピッチャー 再録

木製バットを使う選手も散見される高校野球ではホームランの記録が塗り替えられることはなくなるか。

2位に倍以上の差をつける清原の甲子園通算13本は、当時と比べラッキーゾーンが

なくなり、低反発バットへ移行、変化球が多彩という条件がそろえば不可能と言えそうだ。

一年生から5季フルに出場し、さらに毎大会量産して初めて達成される。

清原は、一年夏1本、二年春3本、二年夏3本、三年春1本、三年夏5本。

ずっと甲子園に出続け、そして甲子園でも勝ち続け、

なおかつ量産して13本という数字になる。

甲子園に出続け、甲子園で勝ち続けなければいけないことから、一人の力だけでも

ダメということになる。

仲間に恵まれなければだめということ。

清原の代の選手はのちに、桑田、松山、内匠、今久留主と5人がプロ入りしている。

仲間の実力が高くないと勝負してもらえないということも起きる。

さらに桑田甲子園20勝は、もっと超えられない。

戦後で、かつ金属バット導入後、甲子園通算20勝という絶対に今後も破られない記録。

この記録を達成するために、まず第一に、名門で一年からエースにならなければ、

この時点でもう無理という条件がつく。

この時点でとても難しい条件だ。

名門でなければいけない理由は仲間に力がないといけないからだ。

さらに、たとえ桑田のように一年生から名門PLのエースになったとしても

次に、夏の予選を必ず優勝し、秋もそれに準ずる成績が必要だ。

つまり、地方大会に関しては負けが許されない。

しかもPLは、強豪が日本一集中する大阪だというから大変な苦労だ。

そして、かつ甲子園でも勝ち続けなければいけない。

そして、甲子園でチームが勝ち続けたとしても、5季全ての大会で投げ続けなければいけない。

1大会6試合として、無傷で優勝したら6勝。

これを3回繰り返しても18勝。

20勝するには、さらに2試合を要する。

1大会の組み合わせで最大5戦しかできなかったら4大会連続で投げ続け全勝が条件。

勝ち投手になり、優勝まで行かなければならない。

甲子園で注目された投手で80年代から振り返って、

水野、松坂、寺原、ダルビッシュ、斉藤、田中、松井、辻内、菊池、大谷、藤浪、吉田などといるが、

一年生の時からチームを勝利に導いてきた投手はいない。

荒木は優勝経験がない。

江川や尾崎も在学中ずっと注目されていたわけではない。

桑田だけ唯一、3年間フル回転して高校球界のエースとして君臨した。

20勝するには5季連続出場して、なおかつ毎試合投げ、さらに勝ち続ける。

投手としての力量はもちろん、チームメートにも恵まれなければならない。

味方に恵まれなければ、打たせる投球もできないから。

守ってくれ、点をとってくれる安心感がピッチングの幅を広げる。

そうして、連投が可能になる。

そういう意味ではこのPLは、奇跡のチームと言える。

ホームランは打てば1本増える。

負け試合でも4打席ホームランすれば、4つ増える。

ピッチャーは1試合、体を酷使して相手を抑え、消耗してやっと勝ち数1を手に入れることができるだけ。

そして、1点もやらなくとも勝ちがつくとは限らない。

桑田甲子園20勝は、不滅の大記録。

野球情報メールマガジン

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

傑作コラム

TOP