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一流の打者になったつなぎの役目 再録

宮本は右打者で、大学→社会人経由でありながら2000本以上の安打数を連ねた。

さらに宮本は犠打を要求され、つなぎの選手だった。

 

この条件での名球会メンバーは宮本だけだ。

 

別の選手にチャンスを回す役割だった。

そうすると打席の中でいろいろな制限が生まれる。

 

バントのサインが出れば当然、ヒットは打てない。

また盗塁やエンドランがあるかもしれない場面では、カウントを待って

初球から打つことは許されない。

 

盗塁のサインなら塁に出たランナーが、走りやすいようにカウントをつくる。

ピッチャーが変化球を投げざるを得ないようにしたり、走った時にストレートが来て

刺されると思えば、ファールにしたり、自分のバッティングよりも

盗塁が優先されてしまう。

 

エンドランのサインならボール球だろうが何が何でもバットに当てなければいけなく、

打つ方向も基本、右に打つし、フライは絶対ダメ。


自分の好きな球を好きなカウントで好きな方向へ打つということができない

制限をもたされる役割だったわけだ。

 

自分の好きなように打席をつくることができない、ということは一度の打席で

チャンスが何度もなく、1球を仕留めて行かなければならないプロの世界で

ヒットを重ねるには大変な不利な条件だ。

 

2000本を超えていく打者の多くは、クリーンアップや1番打者だ。

クリーンアップは自由に打たせてもらえ、1番打者は打席が多く回ってくる。

 

その中でもクリーンアップを打つアベレージヒッターが安打数を重ねるにはいい。


同じクリーンアップでもホームランバッターは難しくなる。

ホームランを求められると、強く振り、球に角度をつけ、遠くにまで

飛ばさなければいけない。

すると、ミスショットが増える。

 

決して打てない球でなく、捉えたと思っても若干の狂いでポップフライになったり

ファウルになったり空振りになったりする。

 

名球会入りしているホームラン打者の野村、山本、門田、小久保、土井、清原、

中村、大杉などの打率が高くないのはそれが一因だ。

 

だから、常にホームランをファンから求められた王は大変だった。

その中で、二度の三冠王をはじめ首位打者も数度獲得し、通算安打数も歴代4位

とまさに打撃王、とびぬけた存在だ。

 

クリーンアップを打つアベレージヒッターが有利なのはいつでもヒットを狙えばいいことと、

宮本のような制約がなく自由に打たせてもらえるからということになる。

 

金本、立浪、秋山、前田、山﨑、駒田、田中などチームの主軸を打つ選手が、

首位打者経験がないのに名球会入りしているのはこのおかげという部分がある。

 

1番打者は足の速い選手が多く、すると内野安打という選択がある。

内野安打は前にランナーがいると、生まれにくい。


そのため、1番で打たせてもらえることは、ヒットを多く打つことができるようになる。

そして、打席が1番多く回ってくる。

 

ただ、当然のことだが、自由に打たせてもらえるだけの実力があるとチーム内に認められていること、

そしてホームランを打たなくともチームに貢献できる実力があること、

ただ恵まれていたわけではないことは付け加えておこう。

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