イチローの去就が不透明のままのよう。
昨年のMLBオープニングゲームでヤンキースVSレッドソックスが地上波放送していたとき、
相も変わらずイチローはこの舞台に立っていた。
もうイチローなら当然。
だれも騒がなくなってしまった。
しかし、
この事実はとてつもない偉業だ。
40歳の日本人で体の小さいイチローが、名門ヤンキースのオープニングゲームの先発ライト。
日本人がアメリカ政府の要職に就き、世の中を動かしているくらいの偉業だ。わかりづらいか。
ライトというポジションひとつだけとって見てみても近代野球のライトは俊足、強肩でなければ務まらない。
体格に恵まれる外国人でさえ、40歳での先発は難しい。
世界中の野球人が目指すこの舞台で名門ヤンキースではレギュラーを確約される選手はいない。
そんな中で、その前のシーズンの途中から移籍し、環境が変わる中、自身の存在価値を示し、
次のシーズンはしっかりオープニングゲームの先発ライトを勝ち取る。
本当にあり得ないくらいの快挙。
成績もさることながらこの事実に感服する。
ただ単に選手としての能力が高いだけではこれは無理なのだ。
それは、
相手、戦略、チーム事情その他いろいろな理由で使う選手は変わるし、
世界中にいろんな能力に秀でた選手はいるから。
このハードルを越え、勝ち残るべく何をすべきか。
それを開幕に合わせ調整してきた。
自分のやるべきことを全うしてきた結果をここで示している。
ポジションについている姿を見ると胸が熱くなるほど感動させられた。
同じくヤンキースでレギュラーをはってきた松井は国民栄誉賞を受賞した。
最近の国民栄誉賞は政治的道具にも使われ、乱発されている趣もあるので価値を見出しにくいが、
松井の名門ヤンキースでの4番も大変な快挙だった。
パワーに劣る日本人が、名門ヤンキースの4番を張るなんてだれも考えもしない出来事だ。
逆黒船。
イチローはたしか現役中の国民栄誉賞は断ったはず。
しかし、再度打診することになるだろう。
殿堂入りは確実であり、通算安打記録更新という、とてつもない期待もかかる。
ヤンキースでは、昨年から全試合レギュラーとしての扱いはされていない。
それでもヤンキースに残るなら優勝を宿命づけられたチームでどんな働きをみせるかとても楽しみだ。
小学生の頃からプロの野球を見続け、憧れてきたプロ野球選手も私より年上の選手は、
数えるほどになった。(私は松井と同い年)
憧れの対象としてはもうイチローしかいないし、今後も現れないはず。
松井がいない今、もうイチローに期待するしかないのだ。