日本人がW杯で日本の試合を観戦し、試合終了後、

敗戦で落胆しているにもかかわらずゴミを拾うことが世界で絶賛されていると報道され、

これを誇りに思うと日本人の多くが口にしていた。

しかし、本当に賞賛されている出来事なのだろうか。

世界のライターなりの一部の人のうち、日本人と同じような感性だったり、

自分たちにない文化を目にしたことだから記事にしただけで

それに日本人が過敏に反応しただけという可能性がある。

しかも

この記事を目にする世界の人がどれだけいるものなのか。

そして目にしたところで

「日本人はこんなに素晴らしいんだ」

と思っている世界の人は数パーセントもいないといったところではないだろうか。

日本人はこの記事が出たことで世界中のこの記事を見た人が

皆、日本人を賞賛していると思い込んでいるふしがあるが、

文化の違う世界の人の感性にこの出来事は、刺激しないものと思う。

日本人はこの出来事を見て、聞いて

同じ感性だから〝すばらしい″とか〝誇らしい″という感情が湧くだろうが、

世界の人が同じとは限らない。

むしろ、ごみを拾うことでその仕事をしている人の役目を奪っていると感じている人のほうが

多いのではと思ってしまう。

というのもＭＬＢの試合を見ていて、ベンチやフィールドの選手はところかまわず殻を吐き出している。

しかし悪気はいっさいないうえ、

行儀の悪い行為だと思っている人もいない。

試合中ずっと口に何かを含んでプレーすることはパフォーマンスを上げるために、

何らかの効果があるとされ、必要な行為であり、

そのため、ところかまわず吐き出すことも至極当然な行為だとされている。

これをかたづける人はちゃんといる。

その人には、かたづけるという仕事があるから行儀の悪い行為などという発想にはならない。

やるほうもやられるほうも当然と解釈し、

お互いにフラットに

「ハロー」と言いながら

それぞれがすべきことをやればいいと肩をたたき合うものだ。

自分がすべきでないゴミ拾いをする観客は、日本では誇りと捉える一方、異文化の国では、

〝あほちゃうか″

とみている人の方が多いのでは。

文化のちがう外国人が

喜んでいる日本人と同じ感性でゴミ拾いの行為をとらえているとは思えない。

文化の違う日本人が喜んでいるのは井の中の蛙として滑稽なものとみることもできる。