東京、神奈川、埼玉の地方大会を取材し、甲子園大会に至った観戦記。
清宮がいることで注目される西東京。
しかし、清宮の早実はノーシード、1回戦からの登場となった。総合力はさほど高くなく、
どこが勝つかわからない状況の西東京を7戦勝ち抜くのは厳しいとみていた。
そして今年、悲願の初出場へ戦力からして大チャンスと見ていた八王子高校が、
ベスト8で早実とぶつかった。
今年にかけている八王子は、戦法、気構え、選手の一体感、監督の采配ととても執念を感じた。
早実に対した八王子は、初回から時間をかけて投球し、清宮を敬遠してきた。
4点差のツーアウトならホームランを打たれてもいいので清宮と勝負の八王子。
キャッチャーがベンチにどうするか確認していた。
この試合、絶対勝つという執念が見えた八王子。
八王子は大会通してトータルで集中力が切れなかった。
最近の東東京の2強、関東一と二松学舎。そして、かつての絶対王者・帝京。
その帝京が、今夏、都立の城東に敗れた。
他の東京の強豪も都立に敗れることはあったが、帝京だけは敗けることがなかった。
城東も都立の名門であり、2度の甲子園出場経験のある強豪とはいえ、
帝京が都立に負けるなんて30年東京の高校野球を見続けてきた者にとって衝撃が走った。
今年の夏は、東京の高校野球の歴史が変わった。
そして、東東京を制した関東一高は、秋、春、夏と東京を完全制覇。
これを、東京グランドスラムと関東一高の父兄は表現していた。
秋から東京を制してきた経験が今夏を制した最大要因だろう。
3試合にサヨナラ勝ちと勝負強さが目立った。
次は、神奈川。
昨夏、全国を圧勝した東海大相模が、慶應に5回で7点差をつけられ、
6回、赤尾のバックススクリーン直撃の特大ホームランで、さすがの個の力を見せるが
準々決勝で慶應にまさかのコールド負け。
昨夏、全国をも圧倒した東海大相模にかわり、巨大戦力で激戦の神奈川大本命、横浜高校が
ベスト8で横浜隼人に4ホーマーを浴びせ、コールド。
東海大相模に代わって横浜が全国を圧倒しに行く勢い。
横浜高校は、今の3年生が入学してから甲子園出場がない。
横浜高校に入り、野球に青春をかける決断をした横浜高校の選手たちにとって今年は
5度目のチャレンジで絶対に甲子園出場を勝ち取りたかった。
藤平、石川の左右投手を抱え、層が厚すぎて選手を試しながら使う余裕があった。
ベスト8に来ても必ずしもベストオーダーを組む必要がない。
そもそもベストオーダーはあるのか。誰が出てもねじ伏せる勢いだった。
オコエ以上の才能とも言われる1年生万波が横浜スタジアムのバックスクリーンにホームランを
放ったが、その万波すら常時、使う必要がない。万波は新チームの4番なのにもかかわらず。
そして結局、大会14ホーマーの新記録で神奈川を圧勝し、甲子園でも優勝候補に挙げられた。
埼玉決勝は聖望学園-花咲徳栄。
昨夏代表花咲徳栄は、全国制覇した東海大相模が唯一、予選を通じてリードを許し、劣勢になった相手。
中心のエース高橋が埼玉大会失点0で制し、BIG3に数えられた。
最後に裏話。
神奈川代表は、2009年、横浜隼人が準々決勝で横浜に勝ち代表、
2010年は東海大相模が決勝で横浜に勝ち代表、2011年は横浜高校代表、
2012年は桐光学園が準々決勝で横浜に勝ち代表、2013年は横浜高校代表、
2014年は東海大相模が準決勝で横浜に勝ち代表、2015年も東海大相模が決勝で横浜に勝ち代表、
2016年が横浜高校代表。
ここ数年、横浜高校か横浜に勝った高校が甲子園に出場している。
慶應のセカンドを守る矢澤は、両親が高橋由伸から慶大と書いてヨシヒロと名付けたそうだ。
慶大出身のヨシノブにあやかって慶大、ヨシヒロということだろう。
本人もその名の通り慶應に進み野球部でレギュラー獲得。
決勝で2本のホームランを打った横浜高校2年生3番打者増田は、1年の時からレギュラー。
増田は長崎の出身だが、U-15日本代表でチームメートになった藤平のあ
とを追うようにして横浜高校野球部に決めたそうだ。
7回慶應が1点返し、無死1,2塁で1,2塁間抜けるかという当たりを好捕し、
慶應を消沈させた横浜・戸掘は入学時レベルの高さに野球を続けるのをあきらめようかと思ったそう。
それが、キャプテンも務めることもあり、超高校級軍団のトップバッター。
そしてドラフト候補に数えられるほどまでに。


