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WBCへ 代表始動。昨年を振り返る

WBC出場メンバーが決まった。

キャンプが始まるころになれば、また盛り上がるだろう。

イチローが、凱旋帰国し、日本でキャンプを過ごした2回大会時の期待と盛り上がりは、

キャンプ地に大渋滞をもたらした。

 

世界一を決めると銘打たれているこの大会にこのメンバーでトップチームとするのは、

弱く、物足りないとしたのは昨日の内容。

 

昨年のシーズン終了後、

このWBCへ向け、今回選出された多くの選手で構成された代表チームで強化試合というものが行われた。

 

台湾との試合は代表の強化試合にはならないものだった。

公式戦でない代表の試合となると本番を見据えて相手に隠す部分があるので

選手の特技やチームの作戦をあらわにしない。

したがい、試合内容は各人の自由にやることになり、淡々としたものになる。

強化にはならない。

 

相手がアメリカやドミニカといった全く違う野球をやり、

日本人とは違うパワー、迫力、球種、打球をもつチームなら経験になるが、

それも1流どころがこの時期に来てくれるわけがない。格下台湾では意味がない。

 

台湾チームは、

序盤の守備でランナーを2塁に背負い、バッテリ-のサインが合わず、パスボールをしていた。

ランナーが2塁に背負ったらバッテリーのサインが変わるのは常套手段だ。

それすら息が合わない程度のレベルなのだ。

 

2戦目ではピッチャーゴロをエラー、エラーで3塁打にしていた。

その程度のレベルだ。日本の野球ではありえないプレーだ。

 

日本の野球で気になったのは、

初回に秋山が山田のセンターフライで1塁からタッチアップした。

本番でもないのに、こういう隙をつく必要があろうか。

こういう策は隠しておき、いざというときに使った方が有効だ。

 

解説者は

「隙を突く好走塁。」だの

「すばらしい走塁。」だの

「集中した緻密な野球。」だの誉めているが、

手の内を見せる試合ではない。

 

事実、そのあと、同じくランナーが1塁の場面でのライトフライで

台湾のライトは捕ってすぐ返球するという警戒心を抱いていた。

これで、日本がこういうことをしてくるという印象を与えてしまった。

 

先制点の場面では、ツーアウト1,2塁の場面で中村をそのまま打席に立たせた。

 

ここは、代打でいい。

 

序盤だから代えないのがセオリーだが、代表戦は一発勝負であり、優秀な選手が控えている。

中村はキャッチャーとして招集されており、打つことは仕事でない。

 

今回、中村は選出されていないが、大野、嶋、小林も同様だ。

打力には期待できない捕手は、序盤から代打で仕掛けて行ってよい。

勝ちに行くには序盤であろうと代打だ。

キャッチャーは他にもいる。

 

一発勝負は点をとるべきところでしっかり獲る。

残塁は減らさなければいけない。

結果は中村が打ち先制したからよしとしていては、本番では痛い目を見る。

 

中村が打てたのもレベルの低いピッチャーだったからだ。

世界の1流ピッチャー相手ではこうはならない。

確率の高い戦法を選択しないと、一度負ければそこで終わりだ。

成功体験に酔っていると、プレミアの時の継投失敗の二の舞になる。

 

あの時、大会を通じて好調だった則本にそれまで0封だった大谷を代え、逆転を許した。

あの時は、

大谷の球が浮きだし、それまでの則本の好投を考慮すれば巷間騒がれたような采配ミスではないが、

1度の失敗は取り返しがつかないのが国際戦だ。

 

中田もそうだ。

あの大会では本人が言っていたように「神がかり」的なバッティングでことごとく勝負を決めてきた。

これによって日本の代表4番は中田との見方を世間は強くしたが、

しかし、それはレベルの低いピッチャーから打ってきたものであり

アメリカやドミニカといったMLB所属のピッチャーからはああはならない。

中田は、その後、多少レベルが上がる最後の2戦では打点がない。

 

正攻法の作戦を取っても負けてはいけないのがプロであり、代表戦だ。

 

確率の高い則本交代でさえ失敗に終わるのだから

確率の低い中村強攻などの作戦意識しか持っていなければ、今の首脳陣では先が思いやられる。

まあ、この試合は本番じゃないからいいのだが。

 

それから、淡々と進行する試合の中で

山田のセンターオーバーの際、1塁ランナー坂本は還ってこられなかったのだろうか。

走塁の映像が見られなかったので何とも判断できないが、

打った瞬間還ってくるつもりなら得点できたような打球だった。

首脳陣が個々の打力や名前に頼っているとまた負ける。

 

この代表を導く首脳陣で維新の志士や明治の軍人のように負ければ死ぬ覚悟をもって

野球で言えば、負ければ球界から去るくらいの気概がある人はいないだろう。

相手によっては中田に代打も出せるほどの気概だ。

 

選手の顔色をうかがい、マスコミの批判におびえ、ファンの罵詈に屈していては

本来、代表首脳とは言えない。

 

しかし、そこまで期待するのは球界の常識にどっぷり浸かった人たちには酷だろう。

 

だったら

せめて侍ジャパンというネーミングはやめよう。

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