この時期は、野球はお休みだが、高校スポーツの熱戦が集中する。
ラグビーは前々回チャンピオン東福岡が
ディフェンディングチャンピオン・東海大仰星との最強対決を制した。
バレーボールは、駿台学園の3冠と下北沢成徳の2連覇となった。
サッカーは十文字学園が初優勝、女子としては初の東京からチャンピオンが生まれた。
男子は今日決勝だ。
昨日、決勝が行われた女子サッカーは、
試合が終わった直後、勝った十文字の選手の方が倒れ込んでいた。
そして泣いていた。
勝ったチームの方が倒れ込み、泣き顔が多いというのは珍しい。
それだけ、チームの悲願だったことがうかがえ、目標にしていたところにたどり着いたからだ。
スタンドで応援する仲間たちも皆、歓喜の涙だった。
敗れた大商学園は試合中、ずっと笑顔でプレーする。
チームの方針なのだろう、だからこそ敗れても気丈に振る舞おうとする姿勢が見えた。
特に、キャプテンの選手は、敗戦が決まっても手をたたき、他の選手に激を飛ばし、
下を向かず、しっかり挨拶をしようと促していた。
すばらしい姿勢だった。
どの高校スポーツもキャプテンがチームを鼓舞し、率先しようとする姿勢を良く目にする。
目標に前進してきた人間は、大きく成長し、
人を引っ張る立場の人間は、広い視野を獲得することになり、考えは自分のことだけにとどまらない。
勝った十文字の涙もよかった。
青春を仲間とともにサッカーにかけて来て、大目標を達成した。
大願成就した人間が喜びを爆発させ、感動の涙にむせぶことは、人間のあるべき姿。
このために生きている。
気丈に振る舞っていた大商学園も試合終了から少し時間がたてば、涙をこらえることができなかった。
当然だ。
素晴らしい姿勢だった。
先輩と後輩の関係が特別な高校生、高校スポーツは、人の心を揺さぶり続ける。
この日本の若人が描く筋書きのないドラマは果てることない文化。