日本シリーズでもバーベキューをしながら野球観戦しているのだろうか。
ナイターだし、それはしていなさそうだが、
日本一を決める戦いに肉を焼きながらでは、現場としてあまりに緊張感がない。
オリンピックのすべての競技で、WBCの一発勝負で、
バーベキューをしながら観ることができる競技場があるとは想像できない。
となると、日本シリーズも同様と考えることが普通だろう。
さらに、そう考えるとシーズン中の試合だって、その日本シリーズ進出をかけた大事な1試合だ。
そこを主催者がバーベキュースペースを設けるのは、どちらを客に提供したいのかわからない。
野球を楽しんでもらいたいのなら、選手の一挙手一投足やチームの戦術に注目してもらうと考えそうなもの。
そこでバーベキューテラスを設けるということは、野球が発展してほしくないのかと訝る。
球団経営者が野球素人だから平気でこんなことができるわけだ。
現場の人間から諫言しないものなのか。
遊びながらであったりとか、くつろぎながらであったりとか、他のことをしながらでは
野球は楽しめない。
野球を楽しもうと思えば、ビールを飲みながらであるというのがギリギリだ。
間合いと読みに注意を向け、次に投げる球、打者の動き、守備陣形、を推察してこそ楽しい。
そしてカウントの違いで勝負の局面はガラッと変わる。
歌って応援なんかしていたら、試合の展開はわからない。
1球1球に集中して1試合を観たら、本当に疲れる。それでいい。
観ている方も、体力を消耗したらいい。
WBCでは、日本中で神に祈るかのように一球一球集中し、戦況を見つめ、応援する。
応援の鳴り物がないので、
日本ピッチャーの速い真っ直ぐが決まった時のミットの音が気持ちいい。
則本が力を入れて投げたときの「ウッ」というような漏れる声も聞こえるほどで臨場感がある。
ペナントは負けても次があるし、そもそも野球観戦を映画を見るくらいに暇つぶしや
楽しみに行く感覚だから歌ったり、踊ったり、食べたりしながら観る。
提供する側が、さらにそれを助長している球場づくりをするから、さらに勘違いをする。
高校野球の甲子園や地方球場で飯を食いながら観戦している人を見かけることは少ない。
高校生の野球に賭ける情熱を思い切り応援し、また、自分の活力にしようとも駆けつけているから。
今、目の前で試合が行われているのに、1球に集中しなければ試合の展開が測れない。
たとえば食事中に今、中華を食べているのに、あそこの焼肉がうまい。今度行こうよとかいう話をする。
目の前の中華の味がわからないじゃない。中華のうまさを堪能しに来たんじゃないのかよ。
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