優勝チームが決まり、シーズンに勝ちを追う必要がなくなると、どのチームも将来を見据えた選手起用へと
シフトする。その中で、この時期には戦力外が発表されていく。
勝ちを優先する時期は、たとえ戦力外が決定していてもモチベーションに響くのでこういう
発表は控えるものだ。
逆に、藤川のようにチームや球界に大きな功績がある選手の引退は、早めに発表することで
他の選手に最後の花道を、と奮起を促したり、寂寥のファンの注目を集めたりするのに利用する。
そんな中、一昨日、昨日と中日は鈴木翔太を、阪神は伊藤隼太を戦力外とした。
共にドラフト1位で鈴木はそのきれいなフォームで、背番号18を与えられる、将来のエース候補だった。
中里の悲運を取り返すために中日にやって来たような印象さえ受ける、腕の振りのきれいなピッチャーだ。
中里が2度の事故で若くしてけがに泣いたのと同様、若くして血行障害という症状に泣いてしまった。
伊藤隼太は六大学のスラッガーとして、その打撃センスから必ずや中心選手になるものと思っていた。
だから阪神はなかなか出て来ない伊藤を辛抱強く、9年間抱えていたが、ついここで手放すことにした。
同じ六大学のスラッガーとしてドラフト1位で入団した高山の場合は、スイングに欠点があり、
いわゆるドアスイングなので、大学時代やドラフトの評価は高すぎるもので、プロの速い球には
どうしてもミートできる確率が下がる。
だが、伊藤のスイングは好打者のものと思われたが、プロで出て来られないのはどういうことだろう。
ところで、ここでもまた六大学のスラッガーとして鳴り物入りで巨人入りした高橋由伸も
ドアスイングだ。
ドアスイングの為、軌道は弧を描くようになり、ジャストミートするときれいなスイングに見える。
そのため、高橋は天才と言われるようになった。
あのスイングでどうして、確率の高いバッティングができるのか、繊細な部分での技術や
凡人にはわからないセンスが隠れているということなのだろう。
中日・平田も高校時代は金属バットと力に任せて振り回すドアスイングだった。
およそ、一般概念にあるバッティングとは呼べないほどの大きなスイングでこれを落合は
評価していたが、あの技術の王様・落合があのスイングを評価する意味が分からなかったが、
今ではドアスイングが解消され、球界を代表するバッターにまでなった。
平田の最大の武器はあのがっしりした下半身だ。
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