芯から外れた当たりが野手の間に落ちると、ラッキーと言われる。
つまり、ピッチャーに詰まらされた当たりが、たまたま野手のいないところに飛んだために
ヒットとなったから、ということだ。
イチローは詰まらせて野手の間に落とすのは高度な技術としていた。
また、詰まることはいやじゃないという打者も増えてきた。
球が速くなり、変化球が多彩になった今では、打者は詰まらされてもいい、というスイングをしているかもしれない。
詰まったとしても野手の間に落ちる可能性があるスイングを仕掛けるということだ。
この傾向が出てきたので、実況や解説でラッキーな当たり、と言うことが憚れることになった。
また、野手はファールゾーンでなければどこを守ってもいい。
ライトで起用された選手がファーストベースについていたっていいのだ。
だから、野手の間に落ちないところに守れば、詰まって落ちた当たりも防げるのだ。
いわゆる定位置というのは、野手の間がなるべく広がらないようにする位置の事で、
打者の傾向でポテンヒットになりそうな所へ移動したっていいのだ。
最近は大胆なシフトをとるケースが多くなっている。
ラッキーと表現されるのは意図していないプレーがうまくいったからだ。
運も勝負のうちだからタラレバは許されないのだが、うまく行った側が本意でないのに利益を得たならば、
ラッキーと、逆の立場からは不運と表現してよさそうだ。
今夏の東東京大会準決勝、大森学園-関東一、5回表3点ビハインドの大森学園はランナー1,2塁から芯で捉えた
打球がピッチャーライナーとなった。
ピッチャーの背中に当たった打球がそのままファーストの方へ飛んでいき、結果、
ファーストフライとなった。
これは関東一からしたらラッキー、大森学園はアンラッキー。
特に格下の大森学園からすれば、逆にラッキーをものにしなければ勝てないところを
アンラッキーではつらい。
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