今年はどの団体も練習環境が例年のものとは変わり、競技者にとっては不遇の年となってしまった。
特にこの時しかないという人達にとっては不運があたってしまったと言っていいだろう。
最たるものは高校生達だ。
高校生というのは、それまで続けてきた競技に区切りをつける最も多い時期と思われる。
小学生の低学年から始めたスポーツを中、高と続けてきて10年くらいを高校の部活動で
区切りをつけるというのが日本の仕組みとしては多い。
それは高校を卒業することは進路を考えることだからだ。
高校まではほぼ義務教育と言ってもいいほど進学率は高いが、そこから先は就職、進学などに
別れて行き、さらに進学したとしてもその先のことを考え、自分の道に集中するために競技を辞めたり、
競技のレベルが高くなる世界で真剣に取り組むことから一線を画したりするためだ。
高校卒業は大人への一歩であり、自立への一歩であるから。
その大きな区切りとなる高校部活動が満足いくものにならなかった心中を推し量るとこちらも苦しくなる。
そんな中でも独自大会と銘打った夏の地方大会では普段と同じような情熱をもって試合が行われていたことに
はホッとさせられた。
甲子園がなく、スタンドで応援してくれる同級生たちの姿がないのに、変わらない熱さをもって、
試合に負ければ大泣きする選手を多く目にした。
甲子園の希望がなく、静かなグラウンドでも情熱は変わらなかったことは、
高校野球を完全燃焼するといった姿勢に見受けられた。
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