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どんな状況になろうと高校野球の情熱は負けない

甲子園という集大成がなくなった今年の球児は誠に気の毒だ。

ただ、甲子園で勝ち上がっていける、全国制覇が狙える、というチームは各地方大会で

ほんの一握りだ。

 

甲子園を狙えるチームというのはもうちょっと増える。

つまり、各地方大会で優勝を狙える位置にいるというチームのことだ。

この辺のチームも、その地方大会を制して、甲子園に出られたということになれば、

大変な勲章になるし、一生の財産になる。

 

一方、一戦必勝、格上のチームに勝ちその先に甲子園を目標にしている、というチームは

見つめているのは身近にいるライバルたちに勝つということだから

甲子園がなくなったとしても、それはご褒美がなくなったということだけで、

気持ちを切り替えやすいのではないか。

 

その他のほとんどのチームが甲子園出場や地方大会制覇など無理とわかっているチームだ。

たとえ、口に出して言うと、士気に影響したり、不謹慎だったりするから言わないまでも、潜在的には

無理と思っているチームがほとんどだから、甲子園大会がなくなっても関係がない。

そういうチームは独自大会とか代替大会と言って、いつもと違うといっても、

大会が開かれさえすれば、同じことだ。

ただ、入場制限があるので同級生たちに雄姿を見せられないのは残念ではあろう。

 

気の毒なのは、やはり全国で勝ち上がることを目標としていたチームだろう。

今年は甲子園出場権がないことで、世間の盛り上がりは圧倒的に少ない。

当然、選手の熱も下がっていることは間違いない。

それでも、用意されたこの大会を一生懸命、勝つために戦っている。

その姿は例年と何ら変わらないように映る。

 

きっと、どこか冷めた雰囲気をもって、プレーすることが多くなるものと予想していたのだが、

負けたチームの中には悔し涙を流す選手を結構見掛ける。

例年よりは少なく、激しくもないような印象は受けるが、

それでも流している涙があるということは、真剣で青春を賭けた戦いということだろう。

 

負けたことに悔しく、高校野球が終わってしまった現実に寂しさがこみあげてきているからだ。

もう、この時間には戻れない。仲間と野球をすることはできない。目標に達せられなかった。

色々な感情があり、負けた直後は絶望とも等しい、どうしていいか分からない状態になる。

こんなご時世で誠に気の毒な彼らが負けて悔し涙を流してくれることに、

むしろうれしくさせられ、ホッとさせられる。

胸を打つ。

大人に左右されたといってもいいこの境遇の高校生がその中で自分たちのやるべきことを

燃焼してくれたのなら本当にうれしい。

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