エリート街道を歩まず出世すると、雑草という言い方をすることがある。
上原はよく雑草魂と口にしていた。
育成から1流選手になることは多くあるが、この場合にも苦労人、這い上がってきた、雑草、 という印象を持ちがちだ。
しかし、高卒で育成ならそう雑草でもない。
なぜなら、高校時代はドラフトにかからなかったり、あるいは無名であったりでも
大学4年間で成長したことで上位指名されることはザラにあるから。
育成期間を大学に進んで成長した期間と捉えれば、同じことだ。
高校生でドラフト1位で指名されながら活躍できない選手はたくさんいる。
高校野球での実績がそのままプロの世界には通用しないのだ。
身体も技術も未熟な高校野球のトップクラスなどというものはプロでは参考程度にしかならず、
活躍出来ないことの方がむしろ当然と言える。
だからプロの目をもってしても高校生が活躍してくれるかは賭けになるのだ。
高校生の青田買いにドラフト指名するにはプロも慎重になる。
大学4年間と同じくらいの時間を育成期間で使い、着実に実力を伸ばしたので 育成出身者でも
1流選手が多く輩出するのであり、本来は大学からドラフト1位になったのと大差ないはずという見方が出来るわけだ。
大学4年間と育成3年では、そう変わらないのに、印象、評価、通称はエリートと雑草という、 全く逆なものになる。
若い頃は、どのタイミングで、何をきっかけにして成長するか分からない。
特に体が成長する10代、20代前半は急に成長したり、 才能が開花したりということがある。
千賀に至っては、日本代表でもエースとしての扱いとなった。
つまりは、日本一のピッチャーとなった。
県立高校で甲子園不出場、育成から日本のエースになったというシンデレラストーリーのようだが、
育成といえど、高卒でプロから誘われたということは、その時点で才能を認められており
充分な野球エリートだ。
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