日本記録を更新した鈴木に1億の報奨金が出なかったが、本人は明るい様子だ。
その前から1億がないことはわかっているし、金のために走っていないから意に介さないのだろう。
日本人で初の4分台だから、これこそあってもいいと思うものだが、原資がないのだからどうしようもない。
この理由には2つあり、ひとつはシューズの画期的な改造とそこへの規制の緩さにより高速レースになったということ。
厚底シューズにより良タイムが頻発するので、お金が追いつかないのだ。
もうひとつがマラソンの競技性にある。
お金を集めるにはスポンサーを付けなければならなくなる。
それはつまり人々が興味を持つかということに集約される。
スポンサーは衆目が集まるところに金を出すから、そうなるとスポーツで人々を熱狂させるのは
対戦型のスポーツが有利だ。
マラソンは個人競技で、しかも走るというだけの起伏が少ない競技の為、興味を引きにくい。
万人が走るから、本来皆が興味を持っていいのだが、競技として見るとつまらなくなってしまうのだ。
人が興奮するのはチームプレーでそれぞれの個性がシチュエーションを多々に、対戦することによる。
対戦型のスポーツが人気になるのだ。そこには人間としての機微が多く醸し出される。
日本における第一スポーツ野球も、次のサッカーも、アメリカの4大スポーツである
野球、アメフト、バスケ、ホッケーとみな、対戦型で団体スポーツだ。
マラソンはレース中駆け引きがあるのだが、伝わりにくい。また、生では最初から最後まで見続けるということができない。
野球のように、投げる、打つ、走る、を基本とし心理戦や戦略があると観ている方も
感情を浮き沈みさせやすく、爆発させられる。そして、最初から最後まで座ったまま観ることが可能だ。
そして、野球は毎日できる。さらに1試合で観戦料をとって、5万人を収容できる。
毎日5万人に生で観てもらい、さらにテレビやインターネットで毎日情報が届けば、
露出度が高くなり、関連事業も派生できる。
こうして、野球は金が飛び交う。
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