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文武両道を貫徹できるなら

文武両道はなしうるか。

一般的に進学校で運動部に力を入れている高校を文武両道という。

元々は、精神の向上と体力の向上を併せ、教養をもった武人が奨励されたことに思われる。

それが戦前の進学校においてエリートを養成するには健康体で精神を鍛えなければいけない、

ということで文武両道が高らかにうたわれたのだろう。

 

今となってはスポーツ部が強い進学校は文武両道と言われることになる。

ただ、これはどっちつかずともとれよう。

たとえば学力優秀で野球の能力が高い選手が進学校へ入学して、野球で立身したら

学力についてはセーブするはずだ。

根尾は大阪桐蔭という進学校において野球で立身した。

私立の場合、進学校と言っても野球推薦で所属する選手は学力が高い選手は少ないだろうが、

根尾は優秀だったと聞く。

それでも学力についてはその後の実績今のところはない。

 

栗山は教師になろうと国立大学へ進んだが、野球で立身し、教授という肩書もある。文武両道だ。

名古屋大から育成ドラフト1位の選手がいるし、東大や京大出身のプロ選手も幾人もいる。文武両道だ。

イチローと松井も学力優秀だったが、野球の実力を伸ばすため両立は無理と判断し野球に専心した。

文武両道の選手はほんの一握りだし、そういった選手も両方で結果を出すことを

最初から目標としていないだろう。

学力で進学していく中で好きな野球を続けていた結果、実力が伸びて勝負の世界へ身を投じた、

ということだと思われる。

 

スポーツの方は、若い頃に鍛錬しないと立身は不可能だが、学力の方は年齢を重ねても

成果が出る。

ただ、超一流の学力を発揮するにはやはり、若い頃の発想や体力も必要になってはくるだろう。

つまり、どちらにも最初から花咲かせようとしても一人の人間には限界がある。

文武両道という響きがよく、とてもかっこいいことばを否定しにくいのでよきものとして捉えられがちだ。

ただしこれにより、見事花咲くことは稀なので拘泥する必要はなく、ひとつに絞ることの方が

可能性は高いだろう。

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