昨日までポゼッションについて記した。
ボール支配率のことを言うポゼッションが高い方がサッカーでは押しているという事になるのだが、
それが勝負の優劣とは必ずしも結びつかない。
日本はドイツ戦、ポゼッションで負けながらゲームには勝ち、コスタリカ戦は逆だった。
勝負の優劣に結びつかない最大の理由はゴールという枠に入れるのが困難なスポーツだからだ。
いくらボールを保持している時間が長くてもゴールの枠はパス回しの広さと比べ圧倒的に狭い
範囲に蹴ることを要求される。
さらに、その前には手を使っていいキーパーがおり、またゴールだけは許すまじと
守りのための選手が多く立ちはだかる。
それを人間にとって最も器用に使える手は使っちゃいけないと規制されているので困難は極まるわけだ。
だからサッカーは実力差が大きくても点差がなかなか開かない。
高校生がプロに善戦したり、攻められっぱなしのチームが引き分けに持ち込むことが出来たり
延長戦になったりする。
道具が介在すると思わぬ逆転が起きうるのがスポーツの競技だ。
サッカーは道具の介在が少ないが、1対1の場面でプロのドリブルをタイミングよく脚を出して
素人にも近いアマチュアが止めることも可能だろう。
道具を使わない陸上、水泳、体操といった競技で素人が勝つことはあり得ない。
陸上選手に走って勝てるわけがないし、距離が延びるほどその差は歴然となる。
水泳もしかりだし、体操にいたっては技のひとつにも数えられない蹴上がりをほとんどの人ができない。
ここへ道具が介入すると一瞬一瞬を切り取れば逆転が可能になってしまう。
テニスではラケットがプロが返せないリターンを実現させ、ゴルフではクラブが
プロでさえナイスショットのチップインを素人に実現させる。
バットという道具が目を瞑ってもタイミングよく当たれば外野の前に落としてしまう。
逆に道具の扱いは難しいので素人の投げる球をプロが凡打してしまうことがある。
あのイチローが女子高生の球に凡打の山だ。