先ごろ日本代表選手が発表されたが、MLB所属選手で3人が選出された。
ダルビッシュ、大谷はすでにMLBでの地位が固まっているので球団もOKを出すし、
本人もチームを離れることの不安を計算できるので要請に応えやすい。
まして、栗山が監督をすることになった一番の仕事はこの二人を招集することだから、
そこは2人も期待に応えようとするだろう。
そこへ行くと鈴木は2年目を迎えるところだから、通常、遠慮すると思われるのに
楽観というか明るい男だ。
吉田、千賀は普通に考えれば日本の期待には応えられない。
1年目の不安の中、チームに馴染む事、リーグの雰囲気を掴む事、異国の地に慣れることは
とても大事だし大変なことだから、ここに集中したい。
ところが吉田は代表に前向きとも伝わる。
選手の意識もかなり変わったものだ。
プロは金の稼ぎ場を知っているからどうしてもそこへの影響を気にしてしまう。
それとともに吉田や千賀クラスになると、選んだ道での最高パフォーマンスを出すことこそ
選手の価値であり、人生をそこに賭ける。
日本代表を選択することはむしろ、男気に欠けるとも言えることになる。
高校生ならそこで野球人生が終わってもいいと思う。
それはその先の世界を知らないから。
そしてどうあがいても期限が決められているから。
栗山は選手との対話を大切にする人だ。
君にはこういう仕事をしてもらいたいと思う、と問いかけ
選手も正直に、ちょっと勘弁してください、と言える相手だ。
こういうことは忌憚なく言ってもらった方がいい。
選手のパフォーマンスが発揮される場所はどこかをチーム全体で探り、チームの総合力が
最も高くなる方法を探り、優勝だけを目的とする。