秋の神奈川準決勝は横浜対東海大相模という神奈川横綱対決だった。
事実上の決勝戦と言われ、さらに秋はこの準決勝が決勝みたいなものだ。
それは上位2チームが関東大会に出られるからで、決勝では勝とうが負けようが、
関東大会の結果の方が重要になり、こちらで好成績を残せばセンバツへとつながる。
今夏、全国優勝した慶応は昨秋、神奈川2位からセンバツ出場、そして大願へとつなげていった。
その神奈川横綱対決はタイブレークへ突入、表の東海大相模は送りバントを失敗し、
その後、一死満塁からファールフライで二死満塁、いやーな展開となってしまった。
そこから押し出しのあと、走者一掃タイムリーで4点差とした。
いやーな展開から一転、ここで勝ったと思っただろう。
ところが、その裏、横浜は5点を獲って関東大会の出場権を獲得した。
タイブレークでは1イニングで大量点が入ることは珍しくない。
だから、1点も入らないまま二死となってしまうと、とてもいやな展開なのだ。
この試合で東海大相模の選手の多くが涙を流していた。
センバツがなくなったのだから、それもわかる。
ただ、秋はまだこの先があるので気持ちは切り替えやすいはずだが、大泣きだった。
横浜高校は4点差をつけられた時は、負けを覚悟しただろうが、
そこからの関東大会出場権だから喜びも大きい。
ところが、決勝では逆にタイブレークで桐光学園に敗れ、準優勝となった。
すると横浜高校の選手も多くが涙を見せていた。
これは意外だった。
一時は6点差をつける場面もあっただけに、逆転されるとは思わなかったという面はある。
だが、この決勝は関東大会出場権をもう持っており、負けたところで、そう落ち込むところではない。
両チームとも準決勝を勝つまでが目標であり、そこまでにピッチャーをフル回転させてきたはずだ。
当然、決勝は使いこんだエース級のピッチャー達は登板を控える。
だから、この試合も両チームで40安打などという試合になったわけだ。
そんな試合なのに高校生は目の前にある試合に負けた時は悔しさがこみあげる。
特に横浜高校は王者のプライドによる涙だった。


