毎週、球場へ出掛け、試合を観ずに帰る強者がいる。
試合も見ないのになぜ球場へ出掛けるか。
それは練習を見るだけで楽しいからだ。
肩、グラブさばき、ピッチング練習、バッティング練習、走塁練習をみるだけでも金を払う価値がある。
試合を観ない理由は帰って明日の仕事の準備があるから。
曰く
「仕事して稼がなきゃならないじゃない。稼がなきゃチケットも買えないし」
あいつの肩の強さを今日も見に行くか、あいつのグラブさばきを堪能しよう、
今日はあいつが投げるならピッチング練習を傍で見てやろう、ホームラン王争いをしている
あいつのバッティング練習で放物線にうっとりしよう、あいつの走塁練習で爽快感を味わおう、
そうして自宅から車で15分の立地も幸運し、いそいそと、ウキウキと、球場へ足を運ぶのだ。
これがプロ。
大谷のバッティング練習のためだけに飛行機に乗る気になるし、実際そういう人達がいる。
そんなプロの技術を持つやつらが、いざゲームで戦うとどうなるのか興味をそそる構図となる。
そしてゲームを観る。
その結果を受けて、どうしてそうなるのか。
あのバッティングをしているあいつがどうしてあの球が打てないのか。
どうしてあの球が打たれるのか。
あの脚が刺されるのか。
あの肩にあの脚が勝るのか。
そうしてまた練習で確認、またゲームで検証。
こうして野球を楽しむ。