ファーストからライトまで、守備に就く7人はファールをケアしない。
ファールはストライクカウント1つと思っている。
バッテリーもファールで打ち取ろうと思わない。
守備陣形はヒットにならないようにする。
海外では顕著な打者によって大きく動く陣形もヒットを防ぐ確率が最も高いと思われる方法を
守備側チームが選択している。
ファールを捕ってやろうとは思わない。
ファールでアウトにしようと思ったらラインぎりぎりで待っていて、投げたと同時に外へ動くことになる。
あるいはピッチャーの投球モーションに合わせファールグラウンドの方へ走って行き、
ピッチャーが投げた時にラインを跨ぐよう勢いづけるだろう。
そんな奴はいない。
ファールでアウトにするにはダイレクトキャッチが要求され、フェアグラウンドにいても
ファールグラウンドくらいの広さならフライは追いつくケースが多いから、
わざわざファールグラウンドへ向かうように動かないのだ。
追いつかない小さなフライの数は極端に少ないからそこをケアしようとは思わない。
ライナーを捕ってやろうと思っても、今度はライナーに関してはファールグラウンドは広い。
ラインぎりぎりから動いてファールグラウンドの広さのライナーを捕る可能性に掛けるより、
フェアを防ぐことの方に注力した方がいいという考えから捕ってやろうとは思わない。
フライにしてもライナーにしても、ファールはアウトにできなくてもやり直しだから、
ヒットを防げないことよりはるかに傷は浅い。
ファールを捕ろうとしないからこそ、好捕するプレーが生まれる。
ところがファールグラウンドが極小になった今は超絶プレーが失われている。